大和ハウス工業の「社員を満足させる」秘訣

創業から63年、改革し続ける企業の信念

企業の取り組むべき重要な課題として「働き方改革」がクローズアップされている。大和ハウスグループでは、従業員が働きやすい環境の整備に取り組み、成果をあげてきた。それは政府が推進しているからでも世の中の潮流だからでもなく、「社員が働きがいを持ち、仕事と会社に誇りを持ってもらう手段」だからだ。 

創業から63年 成長の源泉は「人財」 

1955年に社員18名で創業した大和ハウス工業。創業商品の「パイプハウス」やプレハブ住宅の原点「ミゼットハウス」を開発し、現在は戸建住宅や賃貸住宅、分譲マンション、商業・事業施設など幅広い事業領域を誇る。

これまでに供給した住宅は約170万戸、商業施設4万2000棟、医療・介護施設6000棟に上り、2018年度のグループ売上高は4兆500億円を予想。いまや言わずと知れた、建設業界を牽引する存在だ。

従業員数はグループで約6万6000人という規模で、18年の新卒採用者数は1735名(※)。中途採用を見てもこの数年、同社単体だけでも毎年約300人を採用している。
※株式会社フジタを含む

同社では「事業を通じて人を育てること」を企業理念の冒頭に掲げている。「人財」こそが最大の財産であると位置づけ、63年間多様な人財の育成と活躍支援、および働く環境の整備に注力してきたのである。

社員教育は創業者精神にもある「多くの人の役に立ち、喜んでもらえるような事業や商品を」との考えをベースに、OJTとOFF―JTを組み合わせ、体系的にさまざまな制度を実施。とくに新入社員に対しては中堅社員がエルダーとなる「OJTエルダー制度」を設けている。エルダーに任命された社員に対しても指導方法について研修教育を行うなど、きめ細かい体制を整えている。

一方、多様な従業員が柔軟に働ける職場づくりとして女性やシニアの活躍推進、ワークライフバランス施策に積極的に取り組んでいる。実際、同社単体の女性管理職は05年3月末の8名から18年4月には123名へと大幅に増加した。

同社の社員研修は「新入社員研修」から始まり中堅社員を対象とした「チームリーダー研修」、初任のライン長を対象とした「新任責任者研修」、次世代の経営者を育成する「大和ハウス塾」など、階層別に多様なカリキュラムが用意されている。人財育成こそが企業の成長につながると考えている証しだ  

こうした成果は外部からも高く評価され、女性の活躍推進に優れた企業として「なでしこ銘柄」に4年連続で選ばれるなど、数多くの受賞歴がある。

次のページでは、同社代表取締役副社長・経営管理本部長を務める河合克友氏に、企業としての「人財」の捉え方についてインタビューを行った。

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