企業が活用本格化、ブロックチェーンの凄み 仮想通貨だけじゃない、こんな使い方が?!
このように、ブロックチェーンを活用した企業間連携により、共通の課題がありながらも何らかの利害関係を持つ企業が、その共通の課題の解決へ導くと同時に、業務の効率化を図ることができる。そしてその先には、ブロックチェーン上のデータを活用した、新たなビジネスが創出される可能性へと大きく広がっていく。
事実、製造工程での品質データや国際貿易管理、実験データの証跡、資産管理、会計監査のための企業間会計データの突き合わせ、監査や規制のための対応、情報銀行での活用など、ブロックチェーンの活用が期待され、実際に実装され始めている領域は幅広い。
分野の一例
さらにこれら信頼性のあるデータに基づいて、スマートコントラクトあるいはチェーンコードと呼ばれるあらかじめ合意されたプログラムを実行することにより、会計処理や在庫処理といった企業間の業務プロセスの透明化、効率化の実現が見込まれる。
さらなる社会課題解決に向けて活用進む
「アジアをはじめとする海外ではすでに、ブロックチェーンが積極的に活用され始めています。国をまたいだ貿易管理の効率化を目的に、ブロックチェーンを導入しようとする動きもあります。海運会社や港湾管理会社がブロックチェーンで情報を共有し、貿易に関する書類手続きの簡素化を実現しようとする取り組みもあります。
また、中東の銀行では、自身の海外法人間での送金処理をブロックチェーン上ですでに実装、実現しています。そしてそのような企業での活用の動きは日本でも始まっています」
では、実際に企業においてブロックチェーンを導入するにあたっては、どんな点に注意すべきなのだろうか。日本オラクルで企業向けにソリューションの提案を行っている中村岳氏はこう話す。
「ブロックチェーンは、同じ課題を持つ複数の企業の情報共有といった、一段高い視座から見た課題の解決に適したツールです。ですから、単体ではなく、それぞれの企業のデータベースの横にブロックチェーンを置いて使うものだとイメージしていただくといいでしょう。そうなると企業への適用にあたっては、現在の業務アプリケーションと、導入するブロックチェーンとの連携がより一層重要となってきます。
また、ブロックチェーンのネットワーク拡大のためには、さまざまなブロックチェーンネットワークとオープンに連携できることが重要視されてきます。そのため、『Oracle Blockchain Platform Cloud Service』では、ほかのクラウドやオンプレミスで構築されたブロックチェーンプラットフォームとオープンに連携できるようになっています」
今後、さらなる企業でのブロックチェーン活用を進めるためにも、サプライチェーンとIoTなど特定のユースケースを想定し、パッケージ化した「Oracle Blockchain Applications Cloud」を提供していく予定だ。このように、AI、IoT、ブロックチェーンといった新技術を融合させていくことで、超成熟社会となった日本の新たなゲームチェンジを導くことができると、期待を寄せる。
複数の企業や国をまたいで連携し、課題解決を可能にしていくブロックチェーン。日本においても、最近では地方創生など、地域課題の解決などにも使われ始めているという。
そこで日本オラクルでは、これから本格的な変革期を迎えるブロックチェーンについて、最新の活用事例の紹介を含めたセミナー「Oracle Cloud Dayセミナーシリーズ:Blockchain Day ~ ビジネスでの実利用にむけて、今取り組むべきこと」を2月20日(水)に開催する。新たなチャンスへとつながるブロックチェーンの凄みを知るまたとない機会ではないだろうか。
E-mail: oracle-events2_jp@oracle.com