
プロフェッショナルだからこそ、分かりやすく、丁寧に
中堅・中小企業を中心にM&A支援で累計4500件超の成約実績を誇る日本M&Aセンター。約400名の社員を擁し、全国の地銀や信金、会計事務所と連携したきめ細かい情報ネットワークを基に友好的なM&Aを実現してきた。そんな同社が2015年に立ち上げたのが業種別のM&A支援チーム。新たなフォーメーションで、各業界の企業再編に深く関与しようとしている。そのチームが「業種特化事業部」である。同事業部はIT、建設・設備工事、住宅・不動産、食品、調剤薬局、物流、製造、医療・介護といった各業界に特化し、日々新たな案件に取り組んでいる。同社上席執行役員で業種特化事業部事業部長を務める渡部恒郎氏は次のように語る。
上席執行役員
業種特化事業部事業部長 兼 業界再編部長
渡部 恒郎
「蓄積したノウハウを基に適切な知見を分かりやすく提供していきたい」
「少し前まではM&Aができるというだけで価値があったのですが、今はそれだけでは足りません。業界の中に深く入って、より専門的な知見からチームで動くことが求められています。これから再編が進む業界のM&A案件に対し、われわれは蓄積したノウハウを基に適切な知見を分かりやすく提供していきたいと考えています」
4年目を迎える同事業部は、すでに数多くの実績を積み上げている。事実、当初はコンサルタント数4~5人と少人数でスタートしたが、1年目で年商8億円を達成し、2年目には15人で年商13億円と急成長。現在は25人で年商29億円の実績を上げている。コンサルタントたちも、元ベンチャー企業経営者や公認会計士、弁護士、有力企業の出身者など多士済々だ。
「それぞれの部内では各業界に詳しいプロフェッショナルが担当領域の上場企業と信頼関係を築いています。各業界に特化した独自の企業評価の価値算定モデルを構築し、シナジー効果の数値や会計上に表れない実態に即した計算ができるようになっています。いわゆる事業の評価と株価の評価をより精緻に編み出すノウハウを有していることが大きな特徴であり、われわれが独自に実施した経営者のヒアリング結果と合わせた業界別のM&Aリポートも作成し、多くの経営者から高評価を得ています」
新設した「ベンチャー企業サポート室」
同社が進める施策はそれだけではない。同社にはもう一つ戦略的に構築したチームがある。それが「ベンチャー企業サポート室」だ。渡部氏はこう説明する。
「アメリカでは上場する企業数よりも、M&Aで売却する企業数のほうが多くなっていますが、一方で興味深いのが、日本の状況です。実は今、上場している企業数ではアメリカよりも日本のほうが多くなっているのです。日本の株式市場はアメリカの3分の1くらいの規模にもかかわらずです。今後、日本でもベンチャー企業を中心にIPOではなく企業売却を選択する企業が増えると見込み、新たに『ベンチャー企業サポート室』を設けたのです」
こうしたベンチャー企業の売却が進む背景には、買う側の変化もある。
「今、熱心にM&Aを進めている企業のほとんどがリピーターです。リピートすればするほど買い方もうまくなっていきます。買収時に何を優先すべきか。買収企業の社員とどう新しい形を築き上げれば良いのか。そうしたノウハウが蓄積されるごとに成功する確率も高くなっているのです。また、かつては日本企業にM&Aができるプロフェッショナルが非常に少なかったのですが、今はその人数が10倍くらいに増えている印象です。そうした人たちが事業会社の経営企画部などで勤務し始めたことで、大手企業も買収しやすくなっている傾向にあります。今後は国内だけでなく、海外のM&Aに長けたプロフェッショナルも増加していくでしょう」
本業加速型というM&Aの成功パターン
ここで今、あらためて注目すべきは日本でもM&Aの時代が本格化していることだ。
「事業承継やベンチャー企業の売却ほか、同業間でM&Aを行う本業加速型のM&Aも増加しています。今は水平型で同業種を買うか、または垂直型として仕入れ元、販売元、製造元を買う方法がM&Aで成功する手法となっているのです」
日本のM&A市場では今、成熟化が進む中で、あらたな課題も生まれていると渡部氏は指摘する。
「M&Aが一つの経営の選択肢として認知されてきた一方、法律の細部をつめずにM&Aを行ったりするケースもあります。トラブルの種を残さないためにも、プロフェッショナルの役割がますます重要になってくると実感しています。M&Aは、きちんとした手続きを踏めば、投資としてもリターンを期待できますから。ただし、景気が良くなり、M&Aで利益がでると経営者もどんどん強気になっていき、やや『傲慢な買い方』が増えていくのが気がかりです。本業とは関係の無いM&Aや無謀な多角化には反対です」
今後、日本で確実にM&Aを拡大するためにも必要になってくるのが、高付加価値・高品質のコンサルティングを提供できるチームだ。渡部氏も日本のM&Aの世界で、その一翼を担っていきたいと抱負を語る。
「これからの経営者はつねに自社の企業価値を把握し、その企業価値の源泉は何なのかを見直しておいてほしいと考えています。本業を加速させるポイントは何か?そこがM&Aを考えるうえでのスタートになります。そして、われわれのようなM&Aプロフェッショナルをもっと活用してほしいと思っています」
日本M&Aセンターでは日本のM&Aの現状について、1月26日から順次セミナーを開催していくという。IT、食品、調剤、建設・不動産の業種別セミナーに加え、3月にはベンチャー企業のM&Aにフォーカスしたイベントを東京と大阪で開催する予定。M&Aのトレンドとともに、同社の動向にも注目だ。


