中小企業「V字回復経営」の法則 営業力強化を「スピードと徹底」で確実に

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課題解決講演
継続的な「成長」を実現するために必要な軌道修正論
~少し先の未来を予測して先手を打つ環境をどのように整えるか

クラウド型の顧客管理、営業支援システムの提供で急成長してきたセールスフォース・ドットコムは、自社で営業生産性向上を実現してきたノウハウを披露した。まず社内に散在する顧客情報を、1つのシステムに顧客軸で集約。可能性の高い顧客の見極め、受注までのプロセス可視化、獲得すべき案件の進捗管理をきちんと行う。同社では、見込み客創出をマーケティング、商談創出をインサイドセールス、受注を営業、契約継続をカスタマーサクセスが分業して一連の営業活動を推進。商談進捗は顧客の意思決定プロセスに沿って定義した8段階の営業フェーズに分類して客観的に管理する。これにより売り上げの予測精度が向上、異常を早期に検知でき、受注目標達成を確実にする対策も打ちやすくなる。同社は「システムだけでなく実績のあるノウハウも提供します」とアピールした。

セールスフォース・ドットコム
コマーシャル営業 第二営業本部
第一営業部 部長
作田 遼
セールスフォース・ドットコム
コマーシャル営業 第二営業本部
第五営業部 部長
前川 洋平
セールスフォース・ドットコム
コマーシャル営業 第二営業本部
第六営業部 部長
遠藤 亮紘

事例講演
『IT活用でV字回復』
―中小企業だからこそできること―

Mipox
代表取締役社長
渡邉 淳

総合研磨材メーカー、Mipoxの渡邉淳氏は12億円超の経常損失を出した2008年の社長就任から、17年度に3・2億円余の経常利益を計上するまでの業績V字回復の経緯を語った。まず大幅なリストラなどの“外科手術”を実施。その中で気づいた部門間の「仲の悪さ」の修復に挑んだ。社内メールを禁止して、セールスフォースの社内SNS、チャターに社内コミュニケーションを一本化。「情報共有によって社内の相互理解が進み、仲も改善」され、数日かかっていた稟議(りんぎ)の承認までのリードタイムを平均0.4日に短縮した。さらに、すべての情報を1つのシステム上でつなげる「ワンプラットフォーム」化を推進。部門間の情報の透明性を高め、クレーム情報も転送せずに関係部門で即座に共有できる仕組みを構築した。「ITで社内外の情報をつなぎ、さらなる成長を目指したい」と話した。

特別講演
V字回復経営実現の3要素
―ここまでやれば会社は変わる

DANTOTZ consulting
代表取締役
(元日本電産 M&A担当役員)
川勝 宣昭

日本電産でM&Aした企業の再建を手がけてきたダントツコンサルティングの川勝宣昭氏は、大半の企業を1年以内に黒字化してきたV字回復の再建手法について語った。経営者のリーダーシップ、経営手法、企業カルチャーの「優れた会社をつくる3要素」の中でも「種(手法)がよくても土壌がなければ育たない」と、土壌となる企業文化を変える意識改革の重要性を強調した。具体的には、経営者が社員の価値観に「競争に勝ち残るスピードと徹底したフォロー」をすり込んで指示待ちの思考・行動様式を変革することが必要だと指摘。成功例として、従業員に目標達成を強力に義務づける経営手法や、経営者自身が徹底したリーダー教育を行い、幹部社員の意識を改革したケーススタディに言及。「組織はテーブルの上の消しゴムのような粘弾性体。動かすにはかなりの力がいるので、改革の火種となる社員が全体の4分の1以上は必要」と述べた。

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