有料会員登録 東洋経済オンラインとは

中小企業「V字回復経営」の法則 営業力強化を「スピードと徹底」で確実に

AD
  • セミナーレポート 制作:東洋経済企画広告制作チーム
中小企業の業績を回復、成長に導くためのカギとなる営業力の強化策をテーマにした「中小企業『V字回復経営』の法則」が、埼玉、千葉、神奈川の3都市で開催された。参加した中小企業の経営者や幹部らを前に、経営課題解決のために必要な考え方や、ITを使って急成長、V字回復を実現した営業管理の実践例、組織を建て直す経営のポイントなどが紹介された。
共催:セールスフォース・ドットコム 東洋経済新報社
ちばぎん総合研究所 公益財団法人 横浜企業経営支援財団

基調講演 埼玉
渋沢栄一の「論語と算盤」で未来を拓く!

コモンズ投信 会長
シブサワ・アンド・カンパニー
代表取締役
渋澤 健

コモンズ投信の渋澤健氏は、高祖父で「日本の資本主義の父」とされる明治・大正期の実業家、渋沢栄一の講演録『論語と算盤(そろばん)』にある言葉から、経営に大切な考え方に触れた。「正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することはできぬ」とした、論語と算盤の両立は、現代のサステナビリティに当たり、その核心にあるのは「相矛盾することをつなぐ『と』の力」と説明。「現在と未来をつなげて判断の難しいことに決断を下し、多様なステークホルダーの要求を合わせて新たな価値を創造する『と』の力は経営力そのもの」と強調した。また、明治維新を経験した栄一が、常識を、智(知識)・情(感情)・意(意志)の三者がバランスよく発達したものと指摘していることにも触れて「激動する現在に通じる普遍性があると思う」と述べた。

基調講演 千葉
千葉県経済の現状と経営課題

ちばぎん総合研究所
取締役社長
水野 創

ちばぎん総研の水野創氏は、日本が人口減少期に入った中で、千葉県は、死亡数が出生数を上回る自然減を、流入数が流出数を上回る社会増で補い「2020年から25年ごろまで人口増が続く」との推計を示した。背景には、東京外環自動車道、首都圏中央連絡自動車道の高速道路網整備によって首都圏各地とのアクセスが改善していることを挙げた。訪日外国人観光客の増加に加え、成田空港の第3滑走路建設計画や運用時間の拡大などの機能強化が決まったこともあって「千葉県経済には追い風が吹いている」と概観した。新たな高速道路網を中心として企業立地が順調なことや、ホテルの開業・増床も活発になっていると指摘。今後は、県内でも人口減になっている地域の地方創生や、観光地の整備、高付加価値商品開発による県内産業の活性化などを課題に挙げた。

基調講演 神奈川
明日へのチャレンジ
~横浜の中小企業支援の現場から

公益財団法人 横浜企業経営支援財団
経営支援部
地域密着型支援担当マネジャー
川北 彰子

横浜市内の中小・ベンチャー企業を支援する横浜企業経営支援財団の川北彰子氏は、売り上げの先細り、弱い価格交渉力によって悪化した中小企業の業績回復には、自社の強みの活用や、経営環境の変化への対応を通じて「市場ニーズを捉えた独自商品・サービスをつくることがカギ」と述べた。業績回復や新事業展開に成功した支援先企業の事例として、自動車制御システム開発会社が、その技術を生かして農業ITに参入、財団から専門家の紹介を受けながら、設備ではなく人への投資で、トマトの生育制御システム開発を加速したケースに加えて、地場の捺染(なっせん)業の衰退が進む中で、財団相談員から営業ノウハウを学び、全国に販路を広げている製版業者らを紹介。経営資源が不足しがちな中小企業が課題を解決する際は「財団を相談相手、外部資源として活用してほしい」と呼びかけた。

課題解決講演
継続的な「成長」を実現するために必要な軌道修正論
~少し先の未来を予測して先手を打つ環境をどのように整えるか

クラウド型の顧客管理、営業支援システムの提供で急成長してきたセールスフォース・ドットコムは、自社で営業生産性向上を実現してきたノウハウを披露した。まず社内に散在する顧客情報を、1つのシステムに顧客軸で集約。可能性の高い顧客の見極め、受注までのプロセス可視化、獲得すべき案件の進捗管理をきちんと行う。同社では、見込み客創出をマーケティング、商談創出をインサイドセールス、受注を営業、契約継続をカスタマーサクセスが分業して一連の営業活動を推進。商談進捗は顧客の意思決定プロセスに沿って定義した8段階の営業フェーズに分類して客観的に管理する。これにより売り上げの予測精度が向上、異常を早期に検知でき、受注目標達成を確実にする対策も打ちやすくなる。同社は「システムだけでなく実績のあるノウハウも提供します」とアピールした。

セールスフォース・ドットコム
コマーシャル営業 第二営業本部
第一営業部 部長
作田 遼
セールスフォース・ドットコム
コマーシャル営業 第二営業本部
第五営業部 部長
前川 洋平
セールスフォース・ドットコム
コマーシャル営業 第二営業本部
第六営業部 部長
遠藤 亮紘

事例講演
『IT活用でV字回復』
―中小企業だからこそできること―

Mipox
代表取締役社長
渡邉 淳

総合研磨材メーカー、Mipoxの渡邉淳氏は12億円超の経常損失を出した2008年の社長就任から、17年度に3・2億円余の経常利益を計上するまでの業績V字回復の経緯を語った。まず大幅なリストラなどの“外科手術”を実施。その中で気づいた部門間の「仲の悪さ」の修復に挑んだ。社内メールを禁止して、セールスフォースの社内SNS、チャターに社内コミュニケーションを一本化。「情報共有によって社内の相互理解が進み、仲も改善」され、数日かかっていた稟議(りんぎ)の承認までのリードタイムを平均0.4日に短縮した。さらに、すべての情報を1つのシステム上でつなげる「ワンプラットフォーム」化を推進。部門間の情報の透明性を高め、クレーム情報も転送せずに関係部門で即座に共有できる仕組みを構築した。「ITで社内外の情報をつなぎ、さらなる成長を目指したい」と話した。

特別講演
V字回復経営実現の3要素
―ここまでやれば会社は変わる

DANTOTZ consulting
代表取締役
(元日本電産 M&A担当役員)
川勝 宣昭

日本電産でM&Aした企業の再建を手がけてきたダントツコンサルティングの川勝宣昭氏は、大半の企業を1年以内に黒字化してきたV字回復の再建手法について語った。経営者のリーダーシップ、経営手法、企業カルチャーの「優れた会社をつくる3要素」の中でも「種(手法)がよくても土壌がなければ育たない」と、土壌となる企業文化を変える意識改革の重要性を強調した。具体的には、経営者が社員の価値観に「競争に勝ち残るスピードと徹底したフォロー」をすり込んで指示待ちの思考・行動様式を変革することが必要だと指摘。成功例として、従業員に目標達成を強力に義務づける経営手法や、経営者自身が徹底したリーダー教育を行い、幹部社員の意識を改革したケーススタディに言及。「組織はテーブルの上の消しゴムのような粘弾性体。動かすにはかなりの力がいるので、改革の火種となる社員が全体の4分の1以上は必要」と述べた。