イノベーションで「社会課題」の解決に挑む ESG・SDGsカンファレンス2018

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環境・社会・ガバナンスに配慮した企業活動を評価する動きに対応した「ESG経営」。17の持続可能な開発目標と、それらにひも付く169のターゲットを定めた国連の「SDGs」。これらに、企業がどう取り組むべきか、を考える「ESG・SDGsカンファレンス2018」が東京・港区で開催され、専門家や企業の担当者らが、最新動向や実践事例について語った。会場には、SDGsで掲げられた目標達成への貢献が期待されているエプソン販売の乾式オフィス製紙機PaperLab(ペーパーラボ)が展示された。
共催:東洋経済新報社 エプソン販売

オープニング

東洋経済新報社
CSR企業総覧 編集長
岸本 吉浩

東洋経済新報社の岸本吉浩・CSR企業総覧編集長は「CSR、サステナビリティ活動の目的に社会課題の解決を掲げる流れになっている」と最近の傾向について語った。企業が課題を選ぶ際の指針として「ESGとSDGsは重要なキーワード」と説明。「対話を通じて、それぞれの会社に合った取り組みを見つけていただきたい」と参加者に呼びかけた。

基調講演I(ESG)
ESG/SDGs時代のCSR経営
‐企業が社会課題の解決を目指すには

神戸大学大学院
経営学研究科 教授
國部 克彦氏

CSR経営が専門の神戸大学、國部克彦氏は、格差拡大などの社会的課題を引き起こすグローバル経済の行き過ぎに、保護主義で対抗する流れの一方で「サステナビリティで制御しよう」とする国際社会の方向性があると指摘。政府が担ってきた社会的課題解決の一部を、企業に任せるEUの政策にCSRが原点にあり「何をするかは企業の自主性に委ねられるが、取り組むこと自体は義務になっている」とCSRの背景を説明した。この流れは、国境を越えるESG投資の後押しを受けて、コンプライアンスから社会的価値創造へと発展。企業は、利益を追求する事業活動の結果として社会課題を解決するという考えで、既存の活動の意義をSDGs目標に分類・発信するにとどまらず、より積極的に「社会課題を解決し、社会的価値を創造した結果として中長期的収益につなげる」ことを目指し、「通常のビジネスの範囲を超えた追加的行動も必要になる」と強調した。その実践には、社員が自発的に会社の外部にある課題を発見し、解決する「アウトサイドイン」の取り組みが必要で、これが「社会的価値を創造する事業機会を広げることにつながる」と語った。

基調講演II
ESG時代のSDGs活用による価値創造経営

伊藤園 顧問
CSR/SDGsコンサルタント
グローバルビジネス学会理事
笹谷 秀光氏

伊藤園の笹谷秀光氏は、SDGsが目指す持続可能性は「世のため、人のため、子孫のためという世代軸を取り入れた概念」と定義。世界遺産の合掌造り集落のかやぶき屋根のふき替えを共同で行う結(ゆい)を例に挙げて「日本の伝統を後世に伝える取り組みの中にはSDGsに通じるものがある」と述べた。SDGsが採択され、日本版スチュワードシップコードの適用が開始されて以降、大手企業とのビジネスや、国際的な議論の場では、持続可能性を抜きには話ができない「SDGsの主流化」が加速。SDGsは、企業価値向上に不可欠となると同時に、その取り組みが持つ社会的意義が従業員のモチベーションを向上させ「社内外のブランディング手段として重要性を増している」と語った。また、SDGsが、新たなテクノロジーを取り入れてイノベーションを創出し、社会的課題を解決しようと国が提唱する「ソサエティ5・0(超スマート社会)」とも、目的を共有できるとした笹谷氏は、まちづくりや、次世代教育などの視点も加え、SDGsの目標年の2030年に向けた企業の取り組みに期待を示し「今日すぐにも始めるべきです」と訴えた。

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