「ストレスを溜めない」家づくりの秘訣 心身とも健康に人生100年を生き抜きたい

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人生100年時代を迎え、人が心豊かに長寿をまっとうするために必要なことは何なのか、改めて問われている。予防医学研究者の石川善樹氏と、大和ハウス工業取締役常務執行役員の大友浩嗣氏が、「より良く生きる(Well-being)」をキーワードに語り合った。

孫の代まで100年でも安心して住まえる家づくりを

近年よく聞く「人生100年時代」の言葉。戦後すぐの日本の平均寿命は50歳ほどだったことを考えれば隔世の感があるが、人間の平均寿命が100年に到達するとは、どれほどの現実味があるのだろうか。

自民党若手議員による会合「2020年以降の経済財政構想小委員会(小泉小委員会)」にアドバイザーとして参加した医学博士・石川善樹氏は、「十分可能です」と言う。

大和ハウス工業
取締役常務執行役員
大友浩嗣

「しかし、自分が100歳まで生きると、実感をもって考えている人は少ない。人生はせいぜい80歳くらいまでだろうと考え、人生設計している人が多いようです。もはや誰もが100歳まで生きると見積もっておくべき時代。平均寿命が50歳だった頃は人生で1度しかできなかったことも、今なら2度できる。そう前向きに考えましょう」(石川氏)

ここで重要になるのが、体、精神ともに良好な状態であり続けること。単に100歳まで生きるだけではなく、心身ともに健康で「より良く生きる(Well-being)」という価値観が生まれてきている。

これについて予防医学の見地から研究している石川氏は、「『Well-being』を実現するうえでまず気を配るべきなのは、一日のうち長い時間を過ごす『住まい』の快適さ。これは非常に重要な要素です」と語る。

昔の住宅は、25年ほどで建て替えサイクルがきていた。たとえば40歳で家を建てた場合、自分自身と同じころに家も寿命を迎えるようにできていたというわけだ。しかし時代の潮流をくみ、安心して長く住まえる住宅づくりに注目が集まってきている。

大和ハウス工業取締役常務執行役員の大友浩嗣氏は「これからはいわゆる『100年住宅』、住む人に対して果たす役割を柔軟に変えながら、孫の代まで住まえる家づくりを目指します」と力強く語る。

「名もなき家事」を家族でシェア
「家事シェアハウス」とは

「大和ハウス工業は、創業以来『世の課題を解決する』商品を提案してきた会社です。しかし価値観やライフスタイルの変化に応じて、住宅も変化していくべきだというのが私たちの考え方。『Well-being』を実現する住まいづくりは、今後の課題の一つです」(大友氏)

同社は2017年、住宅内の動線設計を工夫して、家族が自然に「家事をシェアする」ことを目指す「家事シェアハウス」を発売した。

共働き世帯が急増する中、掃除、洗濯といった具体的な名称が付かない細かな家事、いわゆる「名もなき家事」が親世代の大きな負担になっていることから、その課題解決のためにつくられた商品である。

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