レゴ®ブロックで「プログラミング的思考」 わが子の「将来の力」を育む学びとは?
主催:東洋経済新報社
協賛:Z会
国語や算数などの教科や総合的学習、クラブ活動の中での実施が予定されている小学校のプログラミング教育。ただし、その目的は、コーディングを覚えさせることではなく、コンピューターに意図する処理を実行させるためには、どのように指示すればいいのかを論理的に考える力「プログラミング的思考」を身に付けることにある。文部科学省の有識者会議は、これを、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力であるとしている。
新たな学びに戸惑っている親も多く、どう子どもたちに身に付けさせればよいのかわからないという学校現場の声も聞く。こうした中、体験講座では、プログラミング的思考を養うための方法として、レゴ®ブロックを通じた学びが提案された。
ブロックというシンプルな素材から生まれる学び
初めに、レゴ社が「世界最高レベルの作品制作力を持つ」と評価した、日本唯一で世界でも16人しかいない「レゴ®認定プロビルダー」の三井淳平氏の講演が行われた。
三井氏は、東京大学在学中にレゴ®ブロック好きの仲間とともに「レゴ部」を創部。レゴ®ブロックを使った作品制作や課外活動における社会貢献が認められ、2010年に東京大学総長賞を受賞した。
会社員を経て、現在はレゴ®ブロックを使った作品制作やワークショップを行う会社を立ち上げ、レゴ®ブロックのプロフェッショナルとして講演活動なども行っている。これまで、江戸中期の有名画家が描いた屏風や甲子園球場、モアイ像のほか、マグロやホワイトタイガー、人物など、さまざまな平面・立体作品を手がけてきた。
三井氏は「見た目のよい作品を制作するためには、四角いブロックを使って、曲線や曲面をうまく表現できるかどうかが重要な要素だ」と話す。
方眼紙のマス目に曲線を描くと浮かび上がる、曲線に近似する階段状の線のように、高さや幅、形状などが異なる多種多様なブロックを組み合わせ、微妙な段差をつくり、曲線や曲面を精巧に表現するのだ。
また、作品に一定の強度を持たせるために、内部に筋交いを設けるなど、壊れにくい構造を考えることも必要になるという。
三井氏は、レゴ®ブロックを通じた学びについて「成功した時と比較して何が違うのかを見つけ出す『観察力』、構造の強度を上げるなどの解決策を試行錯誤しながら探し出す『問題解決力』、そして、結果として、なぜうまくいったのかを考える『論理的思考力』が育まれます。そして、この3つの力は、ビジネスにおけるPDCAサイクルなどにも通じるのです」と語った。