引き抜きという「禁断の採用」はアリなのか

採用に苦しみ退職する人事担当者も出始めた

人手不足が行き過ぎて、取引先の若手を引き抜きたくなるような状況だけれども…(写真:GCShutter/iStock)

日本の多くの会社で、人手不足が慢性化しつつあります。さまざまな層の人が足りませんが、なかでも会社側が悩んでいるのは、「即戦力」となる中途人材の確保。具体的には、若手・中堅クラス、20代前半から30代中盤の人材です。

課題はわかっているものの有効な採用手法が見つからず、模索している会社が多いのではないでしょうか。そんな中、人材確保に関する「禁断の方法」を考える会社も出てきています。その是非について考えてみたいと思います。

人手不足の深刻化が業績の下振れの大きな材料へ

帝国データバンクの調査によると、2018年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は29.3%と2年連続で増加し、過去最高だった2014年度見通し(30.5%)に迫る水準まで上昇しています。ところが人手不足の深刻化が業績の下振れの大きな材料との回答が出ています。それだけ、会社にとって人材の確保が重要さを増しているということです。

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さらに、人手不足でも仕事が舞い込み、現場が大混乱。誰がやればいいのか、そもそも、誰もできないくらいの引き合い=仕事が増えているとの話を聞くことがあります。こうなると、現場から

「人手が足りない。これじゃ、仕事ができない。即戦力を採用して、職場に送り込んでくれ」

と突き上げられ、日々心を痛めている採用担当者が増えているのではないでしょうか。

筆者は現場の要望に応えられないジレンマから退職を決意した採用担当者に話を聞くことがありました。つい、最近の話ですが「もはや、万策尽きた」と感じて、辞表を出したとのこと。

求人サイトに出稿しても応募は皆無。人材紹介会社に紹介を依頼しても「ご要望に沿った人材は当社ではご紹介は厳しいですね」とつれない回答。ならば、別の採用方法があるのか? 現場からの突き上げは激しさを増して「誰か倒れても知りませんよ」とか「本気で採用に取り組んでいるのですか」と疑いの声が上がるので、採用の仕事に限界を感じてしまったようです。それくらい、成果につながる採用手法が見つからないということでしょう。

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