繋がる「創業者」の熱い想い 東洋経済新報社 経営者フォーラム2018

主催:東洋経済新報社
協賛:M&Aキャピタルパートナーズ
名古屋 福岡 特別講演
企業が発展、成長する法則

代表取締役会長
正垣 泰彦氏
サイゼリヤの正垣泰彦氏は、アルバイト仲間と学生時代にレストランを創業し、国内外1469店(2018年8月)に広がった歴史を振り返った。1号店は青果店の2階。「立地の悪さを、安さとおいしさで補えば、商売が成り立つ」と思ったが、客は来なかった。原因は「商売を考えて、お客様を考えていなかったから」と分析。「お客様のために変えられる余地が唯一残っていた価格」を下げたところ、行列店になり、「わずかでもベクトルをお客様のために向ければ、必ず結果を出せる」という信念を得た。そこで「現状の延長線では達成できないことを目指せば、やり方を変える必要が生まれ、自分の儲け中心になることもない」と、十数店だった初期から目標1000店を掲げ、海外に大規模自社工場を設立するなど、フードサービスの産業化に取り組んだ。また、最後に「成功するまで止めないことが大事。失敗は、自分を変える」と話した。
東京 大阪 特別講演
キユーピーの創始者と創業家

取締役会長
中島董商店 取締役社長
中島 周氏
キユーピーの中島周氏は、創業家の役割について語った。同社の創始者、中島董一郎は、食品工業(キユーピーの前身)に資本参加し、国の海外実業練習生として渡った欧米で知ったマヨネーズを製造し、発展の礎を築いた。会社を大きくするより、同じ志を持つ仲間と仕事の楽しさ、喜びを共にすることを望んだ理念は、同社の社是「楽業偕悦」に残っている。今や大企業となった同社の二代目の娘と結婚して創業家に入った周氏は「理念でなく事業規模などで入社する人も増えてくるかもしれないが、創業哲学を今に伝えていくことは大切」と話す。事業拡大の一方で、創業家の宿命を背負ったメンバーは「規模成長よりもブランドを大切にする為には、色々な誘惑をはねのける役割も負わねばならない」と述べた。また、「老舗企業にとって伝統は革新の連続である」として、創業家メンバーは会社に対して「自身が持つ起業家精神などを生かし、イノベーションなどに貢献できるのでは」と訴えた。