「睡眠時の服」意識したことがありますか? 大ヒット「リカバリーウエア」が海外でも人気

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メンズで21タイプ、レディースで25タイプ、ネックウォーマーなどのアクセサリー類も10タイプと、種類豊富

“リカバリー”が促される最大の秘密は使用している繊維、ナノプラチナなどの鉱物を練り込んだ特殊素材「PHT(Platinum Harmonized Technology)」にある。開発を手がけたベネクス代表取締役社長・中村太一氏はこう話す。

「もともとは、寝たきり高齢者の床ずれのケア用に開発された素材なんです。開発にあたっては、鉱物を糸に練り込んでくれる繊維工場をいくつも当たったものの『できない』『機械が壊れる』と断られ続け、ようやく引き受けてくれた1社の元で実現したという経緯があります。ところが介護の現場では、価格の問題でまったく売れず……。そこで活路を見出したのが、運動後に着るウエアとしてのニーズなんです」

その後、前述の通りビジネスパーソンにまで需要が広がっていき、現在のユーザー比率は、アスリートが約3割・アスリートではない一般層が約7割となっている。ユーザーからは「疲れにくくなった」「よく眠れるようだ」「体が軽い」「気分がスッキリする」などの声が挙がっているという。

鉱物を繊維一本一本に練りこんで生成。通常の糸よりもシルク繊維に近い繊細な細さ

リカバリーウエアが、日々疲労と戦うビジネスパーソンに、具体的にどんなソリューションをもたらすのか。ウエアの効果的な使い方とあわせて聞いてみた。

リカバリーウエアを“オフ”のスイッチに

中村氏が勧めるのが、リカバリーウエアを“部屋着”とする使い方だ。

「家でリカバリーウエアを着てくつろいだり、着たまま眠ることで、休養の質を大きく高める可能性があります。今の世の中、スマホやタブレットでつねにメールやSNSをチェックでき、仕事とオフの境目がどんどん曖昧になっています。でも『帰宅してリカバリーウエアを着たら仕事はおしまい』とウエアをオフの“スイッチ”とすることで、心身にとってより深い休養をとることができるかもしれません」

またリカバリーウエアは出張でも重宝する。たとえば、飛行機の中で着用すれば、長い移動時間を良質なリカバリータイムに充てられる。リカバリーウエアは部屋着に向くスウェットタイプや、飛行機移動に向くジャージタイプ、運動前後の休養に向くスポーツタイプなどタイプがいくつかあるので、用途に合わせて選ぶのがいい。また新幹線をはじめ電車移動の際には、アイマスク型やネックウォーマー型など、手軽に使えるアクセサリータイプも便利だ。中村氏にはこんな目標がある。

ベネクス
代表取締役社長
中村 太一

「家に帰ったらリカバリーウエアを着るのがあたりまえ、という存在にすることが究極的な目標です。現代人は活動量も受け取る情報量も100年前より圧倒的に増えている反面、体はほぼ進化していません。だからこそ、休養の部分を強化してバランスをはかる必要があるのです。10年後・20年後には『リカバリーウエア』という言葉が、現在の“パジャマ”や“ルームウェア”のように、部屋着の代名詞として使われていたらいいですね」

一着1万円前後と、決して価格は安くないが、衣料品としての寿命は他の衣料品と同等ということを考えると、コストパフォーマンスは悪くないのではないだろうか。1年の疲れが溜まるシーズン、パートナーや家族、上司など、身近な人へのプレゼントとしても喜ばれるだろう。

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