デジタル広告におけるリスクマネジメント Digital Risk Management Forum 2018

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スマートフォン、SNSを介したプロモーションを通じて、企業は消費者と多様な接点を持てるようになったが、批判が殺到する“ネット炎上”も多発している。また、アドテクノロジーによる、デジタル広告配信の自動化・効率化の一方で、不適切なサイトへの広告掲載に伴うブランド毀損、さまざまな手口で広告費を詐取するアドフラウド(広告詐欺)の問題も顕在化している。こうしたプロモーションのデジタルリスクへの対策を考える「Digital Risk Management Forum 2018 キャンペーン・プロモーションにおけるデジタルリスクとAIを活用したリスクマネジメント」が東京・千代田区で開かれ、企業の広告、マーケティング担当者らが専門家の話に耳を傾けた。
主催:東洋経済新報社 協賛:エルテス

基調講演
デジタル広告におけるリスクトレンドと対策

サイバー・コミュニケーションズ(CCI)
メディア・ディビジョン
安藤 茂宏

広告主・広告会社と掲載先の媒体とをつなぐデジタルマーケティング企業であるCCIの安藤茂宏氏は、大量の広告配信を自動化・効率化する仕組みが普及する一方で課題も出てきていることを指摘。不適切な媒体、コンテンツへの広告配信による企業イメージ毀損を防ぐ「ブランドセーフティ」と、隠しサイトやボットによる閲覧回数水増しなど「アドフラウド」という二つの課題を指摘。「このままでは、ネット広告業界の信頼も失われ、市場縮小につながる」との懸念を示した。

サイバー・コミュニケーションズ
データソリューション・ディビジョン
三和 大輔

その解決策として、三和大輔氏は、アドベリフィケーションツールを紹介した。同ツールは、ブランドセーフティ、アドフラウド、ユーザーの広告視認を測る「ビューアビリティ」の三つの指標を使い、デジタル広告の効果・リスクを判定、媒体のブロックやモニタリングをするもので、特徴の異なる4社のメインプレーヤーから提供されている。また、CCI・電通グループとツール提供会社でつくるアドベリフィケーション推進協議会の活動にも言及した。
 

サイバー・コミュニケーションズ
セールス・ディビジョン
吉田 大樹

吉田大樹氏は、ブラックリストやホワイトリスト方式のほか、広告主と媒体が1対1で取引するPMP(プライベート・マーケット・プレイス)、媒体内のコンテンツごとに評価して広告とその広告に対するネガティブなニュースなどの組み合わせを避けるPMP2.0などのリスク回避法について説明。適正なサイトへの広告が、ブランド好意度などを向上させるとする調査結果を示し「何も対策を講じないことは推奨しません」と、安全な広告プロダクトの利用を呼びかけた。

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