日本に蔓延「給料日を待つ」文化の大間違い そろそろやめたい…毎月25日までの我慢

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人材確保は企業の経営課題として浮上しているが、有効な対策はなかなか見当たらないのが現状。そんな中、その日働いた分の給与を、帰りに駅やコンビニのATMで受け取れる「給与前払いサービス」に熱い視線が注がれている。なんでも導入企業では、顕著な求人応募人数の増加や定着率の改善が見られるのだという。人手不足解消の一助となるこのサービスの全貌に迫った。

業種・業態を問わず迫りくる、昨今の人手不足。企業が採用コスト増に悩まされたり、日々の業務遂行のみならず将来の戦略展開にまで支障が出たりと、もはや喫緊の経営課題と広く認識されている。

この課題を解消するツールとして、今注目を集めているのが給与前払いサービス「キュリカ」だ。これは従業員が給与振込日よりも前、最短で当日働いた分の給与まで現金で受け取れるというもの(全額または一定の割合)

キュリカ 取締役執行役員
尾崎 亘

運営元のキュリカ取締役執行役員を務める尾崎亘氏は、その魅力についてこう語る。「キュリカは、給料日を待たずに、かつ銀行口座を持たなくても、給与をATMから引き出せる日本初の給与前払いサービスです(同社調べ)。キュリカカードの発行手続きのみで利用でき、駅やコンビニなど全国6万5000台のATMから24時間365日出金できます。

利用者のコストはATM利用料の400円(税抜)だけで、利用時の事前申請も不要。あくまで自分が稼いだ給与の引出であり、借入ではないため当然金利もありません。また導入企業の費用負担も、システム利用料のみ。この安心感と手軽さで、広く好評いただいています」。

もともと総合人材サービスのヒューマントラストが、自社の現場従業員のニーズに応えるため始めた取り組みがキュリカだった。「その日働いた給料を手渡すためには、全国に事務所を設置し、毎日現金を用意する必要があります。当然、現金の過不足が発生したり、紛失のリスクもある。であればその日働いた分の給与を、帰りにATMで受け取ってもらえばいいのではないかと考えました」と、尾崎氏は語る。

そもそも短期・単発の仕事においては、指定された時間・場所へ給与を受け取りに行く必要があることが多く、その仕組み自体が、従業員・企業の双方においてフラストレーションとなっていた。そうした時間的・経済的負担を取り除くべく、開発がスタートしたのである。

開発を終えると、自社で運用する中でサービスをブラッシュアップ。続けてビジネス特許を取得し、2016年より外販を開始し、18年にキュリカの別会社化を経て、外販を本格化させた。

求人応募者数2倍増、定着率は3倍に!

キュリカの導入企業は現在100社以上に達し、前年対比40%増のペースで増加中。キュリカカードの保有者もすでに11万人を超え、外販開始から2年にもかかわらず急成長している。「カード保有者数は、まずは100万人を目指します」と尾崎氏の鼻息も荒い。

「キュリカの利用状況の特徴として、導入企業における浸透率の高さと、利用回数の多さが挙げられます。(導入企業の)会員のうち60~70%の方に、平均で月に6回超ご利用いただいています。これは、申請手続きが不要であることと、利用手数料の低さからくる結果でしょう」(尾崎氏)

5年間継続したスタッフのうち、83%がキュリカ会員に。既存会員のスタッフから使い勝手のよさを聞き、新規申込に至るケースも

キュリカを導入した企業は求人応募者数が平均約2倍に増加、中には6倍に増加した企業もある。またスタッフ定着率向上にも効果があり、キュリカカード保持者の定着率は、非保持者より3倍高い(すべてキュリカ調べ)。こうした効果も、前述の利用率の高さに起因しているという。

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