「その仕事で、この国に何を残せるだろう」
土地を売るだけに終わらない工業団地の魅力とは?
住友商事
ソフト面のサポートも重要だ。進出を検討している企業に対しては事業化調査の段階から、きめ細かいサポートを行っており、入居企業に対しては毎月開催する情報連絡会にて情報交換を行っている。新興国では、賃上げ、労働環境の改善を求め、デモやストライキなど労働組合の活動が活発化している国もある。こういった事態に対しても情報交換会にて現地情報を交換・提供したり、過激な活動に対処するため地元警察との連携を深めるなど、工業団地の安全確保に努めている。
また、スポーツ大会などのイベントを開催して、入居企業の従業員のモチベーション向上や一体感の醸成を図るなど、労務管理支援のようなサポートまで提供する。生活面では、日本人の駐在員に不便のないよう、日本食レストランやコンビニエンスストア、クリニック、銀行なども工業団地内に置いている。
海外工業団地事業にとって、もう一つ大切なことがある。住友商事が「その仕事で、この国に何を残せるだろう。」をキャッチフレーズに推進している、地元の地域コミュニティとの共生だ。現地での雇用創出はもちろんだが、消防車や救急車の寄贈、近隣学校の校舎改修、奨学金の提供など、さまざまな手段で地域への貢献を行っている。
20年以上にわたって工業団地事業を行ってきた住友商事では、アジア地域でこうした工業団地を計4つ開発。入居企業は計300社余、計15万人の雇用を創出している。最近、注目されるミャンマーでも、ほかの商社や、日本・ミャンマー両国政府が加わった官民共同のプロジェクトを推進中だ。