「その仕事で、この国に何を残せるだろう」
土地を売るだけに終わらない工業団地の魅力とは? 住友商事

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
住友商事株式会社理事・物流保健事業本部副本部長 兼 海外工業団地部長 福田康

ベトナム・タンロン工業団地。きれいに造成、区画された土地はディズニーランド6つ分、約300ヘクタールと広大だが、それが住友商事の手掛ける海外工業団地の平均的な大きさだ。整備された道路には、ヤシの木の街路樹が並び、道路沿いの植栽もきちんと整えられて、緑豊かな街を演出する。住友商事の海外工業団地部では、工業団地内の安全、環境整備には特に気を配っている。

工業団地ビジネスは、土地の買収から始まる。多くの土地所有者が絡んだ、時間のかかる交渉を終えれば造成となるが、造成段階でも多数の遺骨や不発弾が掘り出されるなどリスクは尽きない。しかし海外工業団地事業は、こうして土地を用意するだけではない。入居企業が安定した生産活動を行い、さらに拡大していけるように最大限の支援を用意する。

ハード面では、浄水場、排水処理場、変電所などのインフラ整備も、入居する企業の安定操業のためには欠かせない。近年は、海外進出する日本の中小企業も増えていることから、団地内に中小企業向けの貸工場も設置。工場の建屋を建設しなくても、すぐに操業でき、初期投資も抑えられることから人気を呼んでいる。

次ページ地元の地域コミュニティとの共生

<関連ページ>

世界経済の潮流と日本の針路、商社の役割
進化する商社ビジネス