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環境に合わせて変わる商社の
これからも変わらない基本とは?

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
日本貿易会顧問 豊田通商株式会社取締役会長 清水順三

商社は世界でも、日本にしか存在しないとされるユニークな存在だ。幕末開港から明治維新以降の日本の経済的自立に大きな役割を果たした商社は戦後、幅広い商品、多種多様な機能を持つ総合商社と呼ばれるようになり、高度成長期の資源・エネルギーの安定調達や日本メーカーの海外市場開拓に貢献してきた。そして今は、総合事業運営・事業投資会社へと衣替えしてきている。

しかし、その歴史は順風満帆だったわけではない。1960年代の高度成長期には、大手メーカーの独自販売網構築により「商社斜陽論」がささやかれ、70年代後半から80年代前半には「商社冬の時代」と呼ばれる業績低迷期も経験した。それでも商社は様々な課題に直面しながら新しいサービス・機能を創造し、時代と共に自らの姿を変えることで、今日まで成長してきた。

具体的には、輸出入などの貿易、卸売り・中間流通といった従来の商社機能に加え、資源開発、製造加工、小売りにも関与を深め、活躍の場を広げてきた。近年は、有望事業へ投資すると同時に、蓄積した専門知識や情報を活用し、投資先との間でシナジー効果を生み出すビジネスモデルの比重を高めている。

 21世紀は、世界人口の増加、日本国内の少子高齢化、食料安全保障や資源確保競争、地球温暖化などの環境問題といった課題が山積している。総合商社のビジネスは、こうした新たな課題に直面することで、変わっていくものだ。しかし、商社に求められる基本的なことは、これまでと大きく変わることはない。そのミッションは、多様化する社会のニーズに対応した新たな事業、そして技術革新を活かした新たなビジネスモデル・市場を創造することにある。そして、実現に必要なアンテナを高く保つ情報力、持ち前の柔軟性の発揮、新しいことへの積極・果敢なチャレンジの3点は、商社のコアとして、変わらずにあり続ける。

また、人材が、商社の最大の資源であることも変わらない。国際色の強い商社にあってもグローバル化は重要なテーマだったが、これまでは会社組織の多国籍化にとどまっていた。しかし、出身国や文化的背景の異なる人々が同じ職場で働く、真のグローバル時代を迎えて、働く一人ひとりのグローバル化が求められている。そのため、商社では、入社後早い時期から若手社員に海外駐在を経験させたり、本社の社員と海外法人の外国人マネージャーの議論の場を設けたり、といった取り組みをしている。

グローバル人材の条件としては、日本人のアイデンティティを持って英語でコミュニケーションできる「グローバル英語力」、課題解決に向けて自分の気持ちを奮い立たせられる「自燃力」、急速な変化に対応する考と行動ができる「柔軟力」が必要。市場が伸びている新興国、途上国での勤務をいとわず、新たに商社で働こうという皆さんと一緒に、自由な議論ができる風通しのよい会社を目指したい。