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走り続ける自転車は倒れない!
商社の変化とオプティミズムの共有 双日総合研究所

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株式会社双日総合研究所副所長 吉崎達彦

商社とは何か――。その全体像を説明することは商社で働く人にとっても難しい。なぜなら、商社の仕事は輪郭があいまいで、ここからここまでという線引きがないからだ。自動車メーカーが自動車を作るように、企業が拠って立つ自明の仕事が存在しないのだ。銀行法のように業務を規定する業法もない。企業の目的もはっきりしない。それでも社員のモチベーションは高く、よく働く。商社のオフィスはごく普通の日本企業。あえて言うなら、グローバルな活動をしている極めて和風な企業である。

商社は高度成長期には輸出の先兵だった。オイルショックを経験した70年代には資源ビジネスを手がけ、90年代からはIT産業へ参画し、2000年代以降は投資会社化する……というように、変わり続けることで存続してきた。それは「総合」であることによって、リスクヘッジができたからだと思う。つまり、ノンコアビジネスを数多く抱えていたからこそ、次のコア事業を見つけることが比較的容易だった、というわけだ。

しかし仕事は変わっても、商社の中の人間が入れ替わっているわけではない。貿易会社から投資会社に変わるなら、貿易会社の社員を辞めさせて、新たな投資会社を作るという選択もあるはずだが、商社はそうしなかった。自前の人材にこだわってきた。

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