創業325年、老舗金融会社が日本を変えていく 来年日本オフィス開設50周年のバークレイズ

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「グループの事業再編を図るため、さまざまな施策を打ってきました。たとえば、コアとなる事業以外のビジネスを売却するなどして、世界中でバークレイズが強みのあるビジネスに集中できる体制を整えてきました。こうしたさまざまな施策の結果、直近の決算では非常に満足できるパフォーマンスを上げることができました。また、英国最大の金融グループということから、ブレグジットを控え、われわれの動向は各方面から注目されています。事業再編も終わったことで、これからは本格的な攻勢に転じていきたいと考えています」

グローバル化、IT化で変わる投資銀行業務

優秀な人材の採用に力を入れているバークレイズ・グループ。日本法人では約25カ国の仲間が働く

バークレイズ・グループの強みは、米国と欧州の二つのコンビネーションを利用できることにある。ポンド、ユーロ、ドルのいずれについてもバイアスを受けることなく、中立的な立場で顧客にいちばん適切なアドバイスを提供することができる。それがグローバル金融機関としての証しの一つであるとも言えるだろう。

「投資銀行業務はもともとアメリカが先行していましたが、バークレイズ・グループは真の国際金融機関としてそれらアメリカの金融機関とも肩を並べる存在となりました。アメリカ系とヨーロッパ系で取引のバランスを取るために、われわれを選ばれるお客様も増えています」

そんな投資銀行のあり方も、リーマンショック以降、変化を遂げている。これまではヘルスケア・テクノロジーなどのセクターごと、株式・債券といったプロダクトごとに厳密に業務が分かれていたが、現在はITの進展によって、セクター間の垣根が低くなり、プロダクトも専門分野ごとではなく、総合的な立場で顧客のリクエストに応えることが必要となっている。

「われわれは“クロスアセット”という形を取り、お客様が必要とされているものを総合的に提案する営業体制を整えています。私自身も金融業界で30年間、さまざまな投資銀行業務を経験してきましたが、若い人を育てる意味でも、部門間の垣根を低くすることが重要だと考えています」

現在、日本企業では国内だけでなく、海外への投資にも積極的になっている。

「世界を見渡せば、さまざまな投資チャンスがあります。ただ、投資で成功するためには、当然ながら投資リスクを考慮する必要があります。その意味で、日本では投資家がこれからファイナンシャルリテラシーをさらに磨いていくことが必要となるでしょう。アメリカやイギリスの市場は投資家層に厚みがあり、いったん市場が落ち込んでも再生が早い。投資の本場で成功するためには、短期売買を繰り返す「投機家」ではなく、中長期の資産形成を目指す「投資家」として行動することが重要です。そのために、われわれは日本の金融機関とは異なった立場から、お客様にアドバイスやサービスを提供していきたいと考えています」

ロンドンオフィスとの連携も密だ

一方、海外の投資家も日本に熱い目を向けつつあるという。

「今、欧米のプロフェッショナルな投資家たちが、日本にオポチュニティがあるとして続々と進出してきています。それは日本企業のガバナンスがしっかりしつつあるからです。ここ数年、社外取締役制の導入など多くの日本企業でガバナンスの強化が図られてきたことで、海外のプライベートエクイティも興味を持ち始めているのです。その資金量は膨大であり、彼らが進出してくれば日本の市場も必ず活性化するはずです。私も日本市場の魅力を海外の投資家に向けてたびたび説明していますが、彼らの反応はとてもいい。クロスボーダーの時代を迎える中、われわれの世界中のネットワークを利用して、日本企業と海外の投資家との仲介サービスなども積極的に行っていきたいと考えています」

これからますますグローバル化が進む中、バークレイズ・グループは日本でどのような存在を目指していくのだろうか。

「さまざまな世代、バックグラウンドの人たちにとって魅力的な会社であり続けたいと思っています。そうでなければ、企業として良いサービスを提供し続けていくことができないからです。これまで金融業界はずっとイノベーションを続けてきました。これからもイノベーティブであるためには、われわれ自身が変わっていかなければならない。そのためにも、グローバルな金融機関として日本でも新たな取り組みをどんどん進めていきたいと考えています」

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