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機器納入業者から発電事業者へ
拡大する総合商社の電力インフラビジネス

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
丸紅株式会社 海外電力プロジェクト第四部長 横田善明

発電した電力を電力会社に卸供給するIPP(Independent Power Producer、独立発電事業者)は、1995年の電気事業法改正で認められて以来、日本にも登場してきているが、民間資金を活用したインフラ整備に積極的な海外では、特に盛んだ。アジア、中近東、アフリカ、欧米、豪州など全世界で、丸紅が展開する48件のIPPプロジェクトの持ち分の発電出力は1万メガワットを超える。

もともと丸紅は、海外顧客に日本メーカーの発電機器を輸出する仕事を手掛けていたが、機器売りだけでなく、発電所の設計から機器の調達、発電所建設まで一括で請け負う形のEPC(Engineering・Procurement・Construction=設計・調達・建設)事業へシフトしていた。90年代以降、世界的な電力自由化の流れを受けて「発電事業の運営は政府・電力会社の仕事」という既成概念が崩れると、民間の手によって発電所のより効率的運営を目指すIPP事業が急速に拡大していった。

こうしたトレンドの中、丸紅でも従来の機器納入、EPC事業の経験・ノウハウを生かし、発電所建設に加えて、完成後も長期にわたって運営・保守を行って発電事業を営み、その電気を売るIPP事業に参入した。

IPP事業は、商社が出資者となって事業会社を設立する。銀行と融資契約、土地所有者と土地使用契約、建設会社と建設契約を結んで発電所を建設し、完成後の運営に向けて燃料会社とのガス供給契約、電気を引き取る地元電力会社との売電契約、発電所の保守運転会社との保守運転契約…と、数多くの契約を取りまとめる。特に、長期に安定した運転を行うには運転保守がカギとなる。丸紅では、日本の電力会社と連携し、運転保守人材の確保、育成にも深く関わっている。

丸紅のIPP資産の約3分の1を占める中近東、アフリカ市場を担当する丸紅海外電力プロジェクト第四部は、グローバルな工業事業の担い手として、発電や海水淡水化プラントを世界各国で建設、運営し、社会貢献を果たしてきた。世界中のステークホルダーとのWIN-WIN関係を構築することで、インフラ以外の部門でのビジネスチャンスにつながるからだ。特に、第四部が手掛ける地域では、日本が燃料を輸入している中東諸国との関係強化が期待できる。

だが、大型のインフラビジネスは国際競争が激しく、受注は容易ではない。一時は入札で連敗が続いたこともあったが、交渉やアイデアを出し、値段を下げることで挽回した。一番札を取った案件で、応札後に相手方政府が急に案件をキャンセルとしたこともあった。

こういった厳しいビジネスの現場で商社マンに求められるのは、プロジェクト・チームの中で自分の役割を見つけて仕事をしていく力、言うべきことをきちんと発言できる力だといえよう。