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本当に強いのは「働きがい」のある組織 人の気持ちこそが競争力の源泉となる時代

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  • コンカー 制作:東洋経済企画広告制作チーム
Great Place to Work® Institute Japanは、2018年の日本における「働きがいのある会社」ランキング(中規模部門)において、コンカー日本法人を第1位に選出した。その中心人物が社長の三村真宗氏。そんな三村氏が、自らの実体験を基に「働きがい」に関するさまざまなコンセプトや具体的な施策をまとめたのが『最高の働きがいの創り方』(技術評論社)だ。

―― 三村さんは著書の中でも「人材こそ最大の経営戦略」「人材は最も希少な経営資源である」と主張されていますが、なぜそう思われるのでしょうか。

三村真宗
コンカー代表取締役社長
1993年慶應義塾大学法学部卒。SAPジャパンに日本法人の創業メンバーとして入社。BI事業本部長や社長室長などを歴任。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て2011年から現職

三村 さまざまな予測で明らかなように、日本の働き盛りの人口がこれからどんどん減っていきます。政府もそうした問題を認識しており、今、働き方改革に取り組んでいるのですが、この改革はまだ道半ばだと私は思っています。そこに足りないのは、従業員の「働きがい」のように内発的動機の視点です。これからの日本企業は「働きやすさ」ではなく、「働きがい」に着目すべきです。

―― なぜ今「働きがい」なのでしょうか。

三村 スキルが高いだけの人材をいくら集めても、結果にはつながりません。実際、私がコンカーの社長に就任した時は、即戦力にこだわって採用しましたが、社員に相互の信頼がなく、ビジネスもうまく立ち行かない状況に陥りました。そこで組織づくりを根本から考え直し、「働きがい」にこだわった経営にシフトしました。「働きがい」を高めることが、社員のポテンシャルを最大限に発揮することにつながると考えたからです。

その結果、創業以来7年間の年平均成長率は96%と驚異的な成長を遂げることができました。「働きがい」を高めることは、社員におもねることでも何でもなく、企業を成長させるうえで非常に理にかなった経営戦略です。

また優秀な人材を採用するためにも「働きがい」はとても重要です。特に若い人は社会貢献意識が強い傾向にあります。そのことからも「給与」よりも「やりがい」や「働きがい」を求める人材が今後増えてくる。労働力人口が減少する昨今、優秀な人材を引き付けるためにも「働きがい」の高い職場であることはとても重要です。

「働きがい」を高める3大要素とは何か

―― どんな反響がありますか。

三村 経営者を中心に「働きがい」について「ここまで真剣に考えることはなかった」とおっしゃってくださる方が多いですね。しかし、「働きがい」と一口に言っても、どのように考えたらよいのか、その手だてがわからない方も多いはずです。今でこそコンカーは「働きがい」の高い会社として評価されていますが、私自身、この間、無我夢中で改革に取り組んできましたから。

そこで今回、本を書くに当たって「働きがい」を高める要因を次の三つにまとめました。それが「(1) 夢や志、大義との一体感」「(2) 視座の高さと裁量の大きさ」「(3) 成果や失敗を通じた成長の実感」となります。

―― 詳しく聞かせてください。

三村 まず「(1) 夢や志、大義との一体感」については、自分の仕事の成果の一つひとつが会社の大義に貢献できると思えることです。その実感が自分の苦労や汗に意味を見いだすことになるのです。

次の「(2) 視座の高さと裁量の大きさ」とは、従業員に対して経営戦略や経営課題といったあらゆる経営情報を徹底的に透明化することで、従業員の視点が経営者に近づきます。それと同時にできる限り権限を委譲する。これにより自らの意思で能動的に仕事に取り組むことになり、それが大きな「やりがい」につながります。

そして「(3) 成果や失敗を通じた成長の実感」。心理学で「自己実現欲求」が最も高次の欲求と指摘されているように、「高い視座」を持ち「大きな裁量」で自ら仕事に取り組むことで、成功しても、失敗しても、自己の成長を実感することができる。これが「働きがい」に大きな影響を与えます。この三つの要素が「働きがい」を高めるドライバーになるのです。

―― そうした三つの要素をどのように社内に広げていけばいいのでしょうか。

三村 コンカーでは「働きがい」に関連するさまざまな社内調査を実施し、PDCAを回しています。たとえば、私たちは「高め合う文化」を標榜し、「上司・部下を問わない相互のフィードバック」を奨励していますが、「フィードバックをしよう」では実施の度合いがわからない。そこで、その実行度合いを半年に1回の頻度で調査し、施策につなげています。

そのほか、さまざまな調査を実施しており、従業員のモチベーションや会社の文化の成熟度を数値化しています。こうしたモニタリングの仕組みを活用し、定量的に可視化することによって、次の施策の精度が上がるのです。

―― 多くの企業も「働きがい」のある会社にしたいと思っているにもかかわらず、なぜ実行できないのでしょうか。

三村 まずトップの意識が重要です。阻害要因の一つが「トップのコミットメント不足」です。トップの本気度と熱意は組織の隅々にまで伝わるもの。「働きがい」の取り組みに魂を吹き込むにはトップの覚悟が必要です。

もう一つは「アイデア不足」です。「モチベーション=ボーナスや福利厚生」程度の発想では持続的に「働きがい」を高めることができません。そして「実行力不足」も挙げられるでしょう。さまざまな施策の試行錯誤が欠かせません。逆に、この三つを乗り越えれば、大きな一歩を踏み出せます。

5年前に掲げたあるべき姿を実現

―― 三村さんはなぜ「働きがい」に注目するようになったのですか。

三村 私は29歳の時、外資系IT企業でまったく新しい事業を立ち上げる本部長を任されました。しかし当時は経営経験が一切なく、必死になってたくさんの経営書を読みあさりました。その結果、会社の制度やオペレーションは、ミッションやビジョンを軸に考えるべきだということが見えてきたのです。

『最高の働きがいの創り方』
1780円(税抜)
(技術評論社)
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そこで従業員と事業の夢を共有したら、本当に皆が自発的に動き出した。そのとき初めてミッションやビジョンの威力を実感したのです。

コンカーにおいても、創業後間もない2013年に「5年後のビジョン」として「全世界のコンカーの中で米国に次ぐナンバー2の事業規模になる」「国内IT企業で最も『働きがい』のある企業になる」という二つの夢を掲げました。当時は、文字どおりの”夢”だったわけですが、ここから従業員と日々努力し続けた結果、この二つの”夢”は5年後に本当にかないました。ミッションやビジョンを共有し続けたからこそ、強い企業文化をつくり上げることができ、そして業績の急成長にもつながったのです。

―― 企業文化は自然発生的にできあがるのではなく、つくるものだと。

三村 私はこれまで会社の「働きがい」に関する施策をただ愚直に実行してきました。企業文化はできるものでなく、トップがつくるものです。それこそが経営戦略なのです。現在のリーダー層だけではなく、次世代のリーダーとなる若い人たちにも、そのことに気づいてほしい。この本から、そういう思いも感じていただければうれしいですね。