ミレニアル世代が求める働き方と働く場 新時代のオフィスのあるべき姿を探る

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少子化に伴う労働人口の減少によって、「さとり世代」「ミレニアル世代」と呼ばれる若手人材確保も厳しさを増している。彼ら彼女らにより活躍してもらう環境を整えると同時に、働き方改革にも対応した、新時代のオフィスのあるべき姿を探る「 “新しい世代”が輝ける働き方と働く場改革セミナー2018」が東京・中央区で開かれ、若者研究の知見や先端オフィスの事例が紹介された。

主催:東洋経済新報社
協賛:イトーキ

基調講演
世代で異なる働き方
~今どきの若者の考え方、働き方~

マーケティングアナリスト
原田 曜平

若者の価値観やライフスタイル研究、若者をターゲットにしたマーケティングを実践しているマーケティングアナリストの原田曜平氏は、今の若者が「さとり世代」などと呼ばれ、覇気がなく見える理由に、長く続くデフレ経済とSNSの影響を挙げた。デフレ下では「お金を使ってでも若いうちに経験したことは、後で返ってくる」といったインフレ発想は理解されない。組織や時代の恩恵も受けていないので個人主義傾向が強く、チームや会社の目標のために働くという考えは通じにくく「会社の目標と若手の未来との間にWIN-WIN関係を構築する必要がある」と述べた。また、携帯電話を持つ中学時代以降の友人と、つながり続けるために、過剰な気遣いが求められ、表面的には温和に見えるのも特徴。SNSは、行動が筒抜けになるという“監視の目”にもなっている。こうしたSNS環境に加え、将来への強い不安から、若者たちは、狭い範囲に縮こまる「スモールライフ」になると説明。高い品物を買ったと直接的に自慢しても共感されないSNSでは、「本来は高い品物なのに安く買えた」といった形で、自身の目利き力や人脈の遠回しな表現での自慢が盛んで、職場の上司が若者世代に接する際も「言い回しを深掘りして理解し、自慢させる」ことがカギになると指摘。かっこいい仕事の内容より、年齢の近い先輩社員が楽しそうに働く姿を示して「身近なものへの共感」を呼んだほうが採用面では有効といった、若者をつかむ職場環境づくりのヒントを示した。

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