ヤフーの広告売上10倍増の秘密とは?

AIより「データ」が今後の勝ち組のカギ

アジア最大規模の国際マーケティングカンファレンス「アドテック東京2018」のイベントの様子
「モノ」や「サービス」を売るのに、セールスマンが家庭や企業に訪問し、あるいはマスメディアへの大々的な広告で周知させていた時代はもはや過去のものとなった。消費者はスマートフォンを片手にSNSなどから口コミ情報を収集し、また、企業はビッグデータやAIを用い、顧客の嗜好や行動を分析しながら隠れたニーズやトレンドまで考慮するデジタルマーケティングを標榜している。こうした中で、重要視されるのは当然「データ」であるが、実際のところ先進企業のデータ活用はいま“どこまで”きているのかご存じだろうか。

 2018年は「データドリブン」の年だが・・・

今年10回目の節目を迎えたアジア最大規模の国際マーケティングカンファレンス「アドテック東京2018」における、各社のプレゼンテーションには「データドリブン」というキーワードが目立った。データに基づいてビジネスの判断・アクションを行うという意味の「データドリブン」という言葉。多くの企業ではキーワードとして重要視しているものの、どのように実現すべきか具体的な取り組みにはまだ戸惑いも多い。

そんな中、今年1月に経営幹部の若返りを図り新体制へ移行したヤフー。これまでインターネットやスマートフォン事業で大きく成長してきた同社が、「データの会社」になることを宣言している。この大変革への意味合いを1月の就任時のメッセージでは伝えきれなかったとする新CEOの川邊健太郎氏は、今回「アドテック東京2018」のキーノートに登壇し、データドリブンがもたらすメリットと未来像を余すところなく語った。

企業にとって、このヤフーの挑戦は、自社のデジタルマーケティングを考える上でも、デジタル戦略を見据える上でも参考になるはずだ。

なぜ、ヤフーは「データの会社」に大転換を図るのか?

最近のITの進展はまさに「第四次産業革命」に値する――。こうした論調をよく耳にするが川邊CEOもまた、これを独自の言葉を交えながら次のように説明した。「18世紀に起きた最初の産業革命が水力や蒸気機関を用いた工場の機械化であり“人間の筋肉”の代替が進んだとすれば、それから4番目の産業革命となる現在は、ビッグデータやAI(人工知能)により、「気づき」といった“人間の脳”そのものの一部代替が進む」。

ヤフー株式会社 代表取締役社長 川邊 健太郎氏

ここで言うAIとはディープラーニング(深層学習)を指している。その特徴は自動的にデータから「特徴」や「構造」を自動抽出、データ量が増えれば増えるほどAIの性能は向上していく。「これまでのただの機械学習はデータ量を増やしたところで性能が変わりませんでした。しかし、ディープラーニングでは機械学習のようにこれまでのコンピュータ計算の延長線上のシステムではなく、まったく新たなテクノロジーが登場したととらえるべきです」と指摘する。

つまり、第四次産業革命と言われるほどのドラスティックな変化を生み出す要素には、ディープラーニングの技術とビッグデータの組み合わせが必須なのだ。

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