ストレスほぼ「ゼロ」のスーツの実力とは? スーツでビジネスの勝敗が左右されていた
そんな、ビジネスパーソンの課題を解決し、ストレスをほぼ「ゼロ」にするスーツがあるという。訪れたのは、あの「サカゼン」を展開する坂善商事である。「サカゼン」といえば、「大きいサイズの紳士服」で有名だ。
しかし、サカゼンのスーツは大きいだけではなかった。普通サイズの紳士服も販売していることは言うまでもないが、およそ8年もの歳月を費やし、ビジネスパーソンの悩みに寄り添い、3大ストレスである、
「着心地」「シワ」「クリーニング」の問題を解決するスーツ、「HYBRIDBIZ(ハイブリッドビズ)®️」を完成させたのだ。
いったい、何がストレスをほぼ「ゼロ」にできた秘密なのだろうか。
「多くのビジネスパーソンの皆さんにとって、スーツは窮屈で、仕事以外はできれば着たくないというイメージがあると思います。しかし、着心地が良くて、シワもつかず、家で洗濯までできる。そんなスーツがあれば、どうでしょうか。スーツはあくまで従です。どうやったら主役である皆さんの能力が最大限に発揮できるのか。そう考えました」
そう語るのは、現場で開発を担当した、同社第一商品部次長の須山栄一郎氏だ。須山氏は自分でも毎日スーツを着ているので、ビジネスパーソンの課題も人一倍わかると言う。
「すべての秘密は、この縦横が1:2の比率で伸びる『2WAYストレッチ』という生地にあります。
13年前から開発をスタートさせ、5年前にようやく完成させました。そもそもスーツの生地は、縦糸と横糸で織られていますが、これまでの生地では縦の動きに対して、横の動きが1:3、1:4というのが限界でした。しかし、スーツを着てしゃがむ、吊り革をつかむ。これらは縦の動きです。横ばかりに対応する生地が中心の中で、私たちは、最も伸縮性を感じ、かつシルエットが崩れにくい縦横比率1:2の理想の生地を完成させることに成功しました。しかも生地が伸びた後に縮むキックバック率(現状に戻る率)は、普通のストレッチ素材では約90%のところ、「HYBRIDBIZ®️」シリーズでは、なんと最大約97%の数字を実現しています。だからこそ、ずっと着ていてもシワができにくく、着心地も良く、シルエットの美しさを維持できる。この技術は弊社独自のもので、ほかにはありません」
事実、「HYBRIDBIZ®️」シリーズのスーツを着ると、上着ならひじを曲げても窮屈に感じることはないし、背中も伸びるため、変な突っ張りを感じることもない。今までのスーツと違い、まるでフワッと体に乗っているかのような着心地を実感することができる。
また、須山氏はこう続ける。
「パンツも太ももの生地をつままずに、そのまま座ることができますし、楽にひざを曲げることもできます。ウエストも伸縮幅をもたせたため、最大で約5センチ伸びます。食事をした後お腹が出ても、ストレスを感じることはありません。生地本来の伸縮性を活用しているので、見た目も変わらず、いつでもスタイリッシュに見えるのです」
なるほど、これなら会食の時も気を使わずに済みそうだ。
しかも、「HYBRIDBIZ®️」シリーズのパンツは、洗濯機で洗うことも可能だ。
「特に夏にスーツを着ると、汗がしみ込んでしまいます。しかしこちらのパンツは、汗に強い水洗いのクリーニングにも出せますし、洗濯機で水洗いすることも可能です。水洗いすれば、汗のにおいや汚れはほとんど取れる。しかも、ドライクリーニング時の強いプレスによる余分な熱を与えなくてもいいため、生地のダメージを防ぐこともできるのです」(須山氏)