机の中の「冬眠人脈」が120億を握っている 実は「名刺」で差がつく負け組・勝ち組

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「蓄積された人脈という資産を可視化することで、その資産を組織で使えるようになり、競争に勝てるのです。組織全体の利益を考えれば、このほうが効率がいい。そして何より重要なのは、名刺の社内共有に貢献した人材を正当に評価すること。この発想や文化を浸透させていくことで、組織のメリットを最大化させていくのです」(琴坂氏)

この肝となるのは、単に物理的な名刺の管理法だけではない。名刺交換に付随する情報のとらえ方をはじめ、人事評価、会社の戦略的意思決定に至るまで、まさに経営のあり方を再考しなければならない。そう、現場だけではなく、企業の経営層や管理職の意識改革が必要なのだ。

人と人のつながりこそが、これからの企業を強くする

琴坂氏も「冬眠人脈の目を覚ますには、まず人の行動を変えなければなりません。人脈情報の価値を認識させ、活用する意義を理解させる。名刺管理という行為にどんな意味があるのか。そこからどういった成功体験を得られるのか。いわゆる、名刺の役割を明確にする必要があるのです」と力を込める。

これからのビジネスは、より人と人のつながりを軸とした事業開発が重要になってくる。たとえば大企業とスタートアップ企業の連携などは、まさに属人的なつながりから始まるケースが多いという。

紙質をはじめ、自分の名刺にもかなりのこだわりをもっているという琴坂氏

「企業を上向かせる大きな力の一つが、人と人のつながりなのです。全社で人脈を活用できる組織は強い。名刺管理の意識を社内にどう浸透させ、イノベーションにつなげていくかが、発展の肝になるかもしれません。

組織にひもづいている人間一人ひとりが持つネットワークという資源を、いかに活用するか。このためには、社員それぞれが持つ“つながり”の価値を経営陣が再確認する必要があるのです」(琴坂氏)

志や時間を共有し、同じ目的に向かう人間たちがつながりあっていることこそ、組織の強みだ。それは社員一人ひとりが外部とつながることで、さらに拡張され充実していく。

「名刺交換の瞬間は、あくまで始まりに過ぎないということです。このつながりを次にどうつなげていくか、それこそが重要。一期一会と言いますが、ビジネスの現場でも、出会いのその先を考える。名刺を共有することで人の意識を変え、ひいては組織のあり方を考え直していくことが重要ではないでしょうか」(琴坂氏)

社内に眠る「冬眠人脈」とは?