ユニクロ「高コスパ」オーダースーツの実力 激戦オーダースーツ、高くて買えないが一変
スーツの命は、何より「サイズ」
オーダースーツと言うと、以前は高価で富裕層など一部の人向けのイメージが強かった。しかし最近では、一般のビジネスパーソンでも自分の体に合った“自分だけのスーツ”をあつらえるのが特別なことではなくなっている。オーダースーツの低価格化が進んでいるからである。そのため、オフィススタイルのカジュアル化などで市場規模が縮小し続ける紳士服業界にあって、オーダースーツ市場だけは年々拡大を続けている。
日本では長年、吊るしと呼ばれる既製スーツが主流だった。だが、多くの人に合うよう“おおよそのサイズ”で作られた既製スーツでは、「男性の体のラインを美しく見せるためのアイテム」というスーツの役割を十分に果たせていなかった。
もともと、スーツは形が決まっていて、デザイン的な装飾もほとんどないため、体に合っているかどうかが非常に表れやすい。スーツはサイジングが命と言われるゆえんだが、良くも悪くもサイジングによって着こなしのレベルがガラリと変わるものなのだ。
加えて、「袖丈は、袖口からシャツが少し見える長さに」「パンツの丈はワンクッションが理想」などといったスーツならではのルールがいくつもある。だから、ジャストフィットでスーツを着こなすことのできるオーダースーツの低価格化は、日本人のスーツの着こなしを大きく高める可能性を秘めている。
では、いざオーダースーツを頼むには、どこのサービスがいいのだろう。各社さまざまなメリット・デメリットがあり悩ましいが、「オーダースーツと言えば高くて時間がかかるもの」という、これまでの常識を覆すサービスを打ち出しているのが、あのユニクロだ。
ユニクロは2016年1月に「オーダーメイド感覚で選ぶ、ジャストサイズ。」サービスを開始しており、「補正代込、セットアップで2万890円(税別)・最短3日で自宅にお届け」という破格のサービスを展開している。同社の場合、いくつかの型から体に合ったものを選び、一部の箇所をお直しする“パターンオーダー”タイプではあるが、選択できるパターンはなんと2112通りにも及ぶ。
「最短3日」を実現できる理由
加えて、サイズと同じくスーツで要となる「生地」もぬかりない。生地には「Super110’sウール」を採用している。一般的にはこの数字が90以上になると高級と言われ、110は高級ウールの領域に入る。実際に生地に触れてみると、なめらかで上品な光沢があり、とても2万円で買えるスーツには見えない。生地にはストレッチが効いていて着心地もいい。