飛躍するASEAN 強まる友好関係

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日本とASEANの友好協力は
今年40周年を迎える

マヌエル・エム・ロペス
駐日フィリピン共和国
特命全権大使

「日本とASEANは相互に恩恵を受ける関係であり、協力関係は今後ますます強まっていくでしょう」と、駐日フィリピン大使のマヌエル・エム・ロペス氏は語る。日本とASEANの友好協力は今年40周年を迎え、特別首脳会議が東京で開催される。

「ASEANと日本の過去40年間の関係はダイナミックなものでした。これまでASEANは日本からの支援という恩恵を受けてきましたが、両者は多くの点で相互に有益な関係にあります。フィリピンは急速に発展し近代化しつつある国です。私たちは、日本からODA(政府開発援助)という形の支援を得て、その返礼として日本から機器を購入したり、日本の技術を利用したりしています」。ODAだけではなく、増え続ける日本企業による直接投資でもASEANは恩恵を受けている。そして日本側もASEANの安価で熟練した労働力と、ますます強まる購買力の恩恵を受けているのだ。

2者の関係は今後、経済、観光、文化交流などあらゆる面で強くなるだろう。ASEANは約6億の人口を擁する、日本にとって最も魅力的な市場の一つだ。一人当たりの所得は急速に増加しており、中でも「フィリピンは特に急増している」とロペス大使は言う。フィリピンでは高品質な日本製品が好まれており、ユニクロや無印良品などのブランドも人気だ。また日本食レストランの数も増えており、日本人とフィリピン人が共同運営するラーメン店も少なくない。さらに日本のコンビニエンスストアも積極的にフィリピンに参入している。以前からあるセブン-イレブンに加え、昨年からミニストップとファミリーマートが参入、ローソンが現在検討中だという。

日本―フィリピン間の航空便数が最大で2倍に

観光も活発になっている。日本のビザ規制が緩和されたこともあり、ASEAN各国から日本に訪れやすくなったのだ。日本-フィリピン間の観光についても、大使は「日本は今年、航空便の数を最大で2倍にすると決めました。来年から直行便の数も増加するでしょう」と期待を込める。日本からフィリピンへは4時間飛行機に乗るだけなので、ASEANの中でも立地的に恵まれている。便数が増えることで両国間の観光はさらに後押しされるだろう。

日本政府も来日を促す努力をしているが、やはり日本からASEANへの訪問者数の方が、その逆よりはるかに多いという。2012年に訪日したフィリピン人は約8万人だが、フィリピンを訪れた日本人は約41万5000人に上る。これらの数字は今後さらに増えるだろう。

「日本人は三日間の休日を使ってフィリピンに行き、ゴルフ、スキューバダイビング、買い物などを楽しんでいますよ」と大使は言う。

日本・ASEAN間の文化交流も盛んだ。数多くの交流イベントが行われており、ASEANの学生数百人が他のASEAN諸国に研修旅行に行く「東南アジア青年の船」という日本主催のツアーも毎年実施されている。

日本の企業や政府に何を望むか、と尋ねられると、ロペス大使は「とにかく、来てください。私たちは隣人です」と答えた。「フィリピンに投資してください。でも、まだビジネスプランが固まっていないのでしたら、とりあえず観光に来てみてください。そっちのほうが楽しいじゃないですか」と顔をほころばせた。