「グローバルで勝てる」英語力を身に付ける 世界で自分をアピールする、その方法とは?
英語で得られる情報量は日本語とはケタ違いに多い
――まず、あらためていまビジネスパーソンが英語を身に付けるべき理由を教えてください。
石倉 いちばんは、英語力があれば、得られる情報の量が格段に増えて、世界が広がるということですね。テクノロジーの発達のおかげで、どこにいても情報が取れる世の中になりました。ただ、日本語で読めるものはとても少ない。英語で発信されるものが圧倒的に多いことは事実です。今は非英語圏の多くの人も英語を話しますから、誰とでも会話できることも大きなメリットでしょう。自動翻訳は、タイムラグがありますし、まだ精度にも問題があります。また、どんな時代にあっても直接の対話から得られるものは大きいですよね。
英語はこれからますます必要なものになっていくでしょう。でもそんなに構えなくてもいいのです。英語を身に付けることは、投資対効果がすごくいいので、やってみようくらいの気持ちでいい。一度英語を身に付けてしまえば、日本という、小さな庭で遊んでいるだけになってしまうところが、年齢を重ねても、どこにいても、広い庭で遊べるようになるのですから。
――英語力を身に付けるために、大切なことは何でしょうか。
石倉 英語はツールですから、使わないとモノになりません。いちばん大切なことは少しずつでも、毎日英語に触れること。とにかく、頻度が大事です。
アイドルタイムの10分でいいから「聞く、読む、話す、書く」の四つのどれかに触れる。私の場合は音楽でしたが、好きなことを英語でやればいい。英字新聞を読むのでも、動画を見るのでも、話してみるのでも良いでしょう。私はポッドキャストで海外メディアのニュースなどを毎日聴いています。テック系のニュースも面白い。日本語では得られない生の情報に溢れています。
知識を増やすことだけではなく自分の意見を持つことが大切
――グローバルな環境で、堂々と振る舞うのに、英語力以外には何が必要と思われますか?
石倉 通常ビジネスミーティングが終わった後の食事では、ビジネスの話は一切しません。歴史、文学、アートやスポーツなどの話題になります。このとき日本人は、何も言えなくなってしまう人が多い。これは非常にまずいです。
トップになればなるほど、歴史やアートなどへの造詣が深く、哲学なども深く学んでいます。そのような人たちと、対等に会話をするには、幅広い知識を入れて、その上で自分の意見を持ち、表現することが求められるのです。インターネットで調べれば何でも出てくる時代ですから、知っているというだけでは大して意味がない。どんな情報を集めて、どう解釈し、どう思っているのかを伝えることが大切です。
ただ、政治や宗教の話は、気を使います。また当たり前ですが、国や人をバカにしてはいけません。日本人はどちらが上か下かということにこだわるところがある。上下ではなくみんな平等で唯一の存在である、個をリスペクトすることは意識していますね。どんな職業であっても、プロとしての自分に自信を持つことは、グローバル社会においてすごく大事なことです。
外国ではディベートもさんざんやりますが、日本では経験がない人も多く、聞き役に回ってしまう。聞いているだけではいないのと同じ。知識を入れるだけなら、19世紀の教育です。とにかく、論理的に思考を積み上げ、意見を戦わせる実践を積んでほしいですね。学校で集中的に学ぶのもひとつの手段だと思います。