「時短英語」の鍵は課題発見メソッドにあった 英語教育のプロ集団による、科学的学習法

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次は30代の女性Bさんのケースである。

「Bさんは外資系企業で営業職に就く30代の女性でした。社内文書はすべて英文なのですが、現状ではなかなか理解できないとのことでした。また、上司が日本人から外国人に代わり、上司とも英語でコミュニケーションを取りたいとの希望をお持ちでした」

Bさんは中学生の頃から英語が大嫌いだった。当然、苦手意識も強く、最初に受けたTOEIC®の模試のスコアも400点に届かなかった。

「初め、Bさんは英文をゆっくり読んでも意味が理解できませんでした。解説をしても『不定詞って何でしたっけ?』という反応でした。さらに知っている文法に関しても、内容理解に時間がかかっていたので、抜けている知識を補うことと知識の運用速度を上げることを優先的に解決すべき課題として設定しました」

抜けている文法の知識とその運用能力は、認知文法とパターンプラクティスで補うことにした。認知文法とはごく簡単に言うと、人間のものの見方がどのように言語表現に表れるかを説明するもので、この考え方を文法指導に取り入れることにより、丸暗記する内容が減り、ネイティブに近い感覚で文法を理解することができる。さらに、パターンプラクティスでは、負荷を高めた繰り返し練習によって、理解の処理がスムーズに行えるようにした。

「学校で習う英文法は苦手とおっしゃっていたBさんでしたが、認知文法の考え方は頭にスッと入ったようです。文法の知識が入っていけばいくほど、理解の速度も上がっていきました」

このほか、音声変化の課題をクリアするなどし、90日後、そこには英文を読むスピードが驚くほど速くなっているBさんがいた。

それまでなんとなく避けていた外国人の上司とも、積極的にコミュニケーションをとれるようになり、最終的なTOEIC®のスコアは、およそ450点アップの845点をたたき出していた。AさんもBさんも、90日間という限られた時間で、当初の目標を見事に達成した。90日という期間もさることながら、確実に目標を達成することにも、価値がある。

英語が求められる環境は、以前よりも大きく増えている。自分に合った英語学習を選択する際、限られた重要な資源である時間を、どう使うかについて、いま一度考えてみてはどうだろうか。

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