賃貸住宅経営の肝は選ばれる住まいづくり

――自ら学び、良きパートナー企業選びを

2015年の相続税制改正以降、相続税軽減を目的とした賃貸住宅建設が活況だ。土地を有効に活用することは土地オーナーにとってはもちろん、社会にとっても有意義なことだが、今、社会に求められる土地活用とは一体何だろうか。賃貸住宅経営のスタートの際に気を付けるべき点について、自ら賃貸経営をして税理士として活躍する渡邊浩滋さんに話を伺った。

賃貸経営に大切なのは経営者になるという自覚

――所有する土地を有効活用したいと思い立ったとき、お薦めできる方法は何でしょうか?

渡邊 資金調達の環境が整っているという意味も含めて、参入しやすいのは賃貸住宅経営です。お持ちの土地があるエリア、広さ、特性によっては店舗やビル、医療・介護施設など多様な活用の仕方がありますが、都市部においては賃貸住宅が適しているといえます。

――住宅の供給過多も懸念されていますが、現状の不動産マーケットの中で賃貸住宅経営を始めるときの注意点を教えてください。

渡邊 浩滋
渡邊浩滋総合事務所代表。資産税専門の税理士法人に勤務後、2011年12月独立開業。自らも賃貸経営を行い、税理士の視点と大家の視点から大家さん専門税理士として活動中

渡邊 一にも二にも、「差別化できる賃貸住宅を建てること」です。これまでは新築であれば基本的に入居者が集まると言われていました。でも今は供給が多いので新築だから埋まるとは限らない。「この家だから住みたい」という動機になるような明確なコンセプトを打ち出すことが最も大切です。どんな人に住んでもらいたいのか、ターゲットを明確にすることが重要であることは確かです。

――渡邊さんは大家さんでもありますが、建物づくりでこだわっている点はありますか?

渡邊 外観に気を使っています。室内の設備や内装も大切ですが、それは住んでから真意がわかるものです。「この家に住みたい」と思うのは案外、外観から受ける直感が大きいんです。

第一印象で「いいな」と思えば、多少ほかに妥協する点があっても入居してもらえますし、逆に外観の寂れに引っかかればささいな欠点まで気になるもの。そういう意味では外観が小ぎれいであることと、さらに花や植栽といった外構計画も重要だと言えます。建物はどうしても年月とともに劣化していきますが、植物や花はどんどん成長して豊かに美しくなる。年月が経つほど雰囲気のある住宅になることもあるのです。

経営者視点に立って、適正な事業計画を立てること

――相続税対策として初めて賃貸住宅を経営する場合、注意点はありますか

渡邊 大切なのは、経営者になるという自覚を持つことです。不動産購入から始める投資型とは異なり、相続税対策の方は「財産を守ること」が目的になりがち。しかしながら、賃貸住宅を持つということは大きなお金が動く事業ですから、しっかりとした事業計画を立てなければなりません。

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