料理や掃除は、愛を表現する行為です 男性の家事を応援するプロジェクト
髙橋:あと物には住所をつけてあげるといいですね。物が増えてきたらその都度、リプレイスしていく。そんなふうに心地の良い物に囲まれる暮らしは、気持ちがいいんだよっていうことをお伝えしたいです。
COMA-CHI:子供がなかなか片付けない時に、一つひとつ「これはアンパンマン」とか、これは「おままごとの果物」っていうのを袋に書いて渡したらしまうようになりました。
髙橋:素晴らしい! ゲーム感覚は大事です。そこに入れておくとママも喜ぶし、私も楽しい……それってすごくいいです!
COMA-CHI:ありがとうございます! ところで髙橋さんが家事代行サービス「ベアーズ」を立ち上げるきっかけになったのはどのようなことだったんですか?
髙橋:私は20代後半で妊娠したんですけど、その時、香港で仕事をしていて。海外なので親も含め手伝ってくれる人が誰もいなくて。ものすごく不安でした。
COMA-CHI:妊娠中って些細なことで落ち込んだりしますよね。
髙橋:そんな時にスーザンというフィリピン人のメイドさんと出会って、私の人生観がガラッと変化したんです。香港ではお金を払って家事を頼むことは当たり前で。でも当時の日本は、母として妻として女性として失格みたいに思われていた。今でもまだそう思われがちだと思うんです。でも私は助けてって言い合える社会こそ、この国にも必要だと思ったんです。
COMA-CHI:素晴らしいですね。
髙橋:今も5200人ぐらいのスタッフさんが、「女性の"愛する心"を応援します」ということで、朝から晩までご縁あるお客さんのご家庭に行ってくれてます。でも彼女たちスタッフも助けているだけじゃないんです。彼女たちもこの仕事に巡り合えて感謝しているんです。
暮らしは、幸せの最小単位であり最大公約数
COMA-CHI:代行してもらう側だけじゃなくて代行している側も応援しているんですね。
髙橋:そうです。すべての「女性の"愛する心"を応援します」なんです。暮らしとか家庭という、幸せの最小単位であり最大公約数、そこがちゃんとしてないと、どこに行って何をやったってうまくいかないと思うんですよ。COMA-CHIさんも出産、育児もされていて音楽をやる時間を捻出するのって大変でしょう? 変わったことってありますか?
COMA-CHI:子供が大きくなった時にお母さんはこんな結果を残してきたんだっていうことを背中でちゃんと感じさせられるような人間になりたいって思うようになりました。
髙橋:素晴らしい生き方ですね。パパたちには申し訳ないけどママの影響ってすごいんです。このあいだ女子短大で講演をするにあたって、アンケートをとってみたら、お子さんが影響を受ける人っていうのは、母親が7割以上を占めているんですね。母親が汚い言葉を使っていればそのまま汚い言葉を使う子になるし、母親が悪口ばっかり言ってると悪口を言う子になってしまう。
――仕事と子育てと家庭のバランスをどう世の中の女性はとっていくべきでしょうか。
髙橋:世の中は働き方改革って言ってますけど、私は働き方改革と暮らし方改革は両輪じゃないといけないと思っていて。それと同じで仕事と子育てのバランスというのではなくて、思ったことはやる、よく言えばやりたいことは全部やり切ること。どんな瞬間の自分のことも愛して生きていくことです。
COMA-CHI:自分を愛するって本当に大切ですよね。家事がつまらないと思ったら旦那さんへの愛情不足とおっしゃってましたけど、もっと言えば自分が住んでいて心地よくなる環境を作るって事が家事だと思うので、仕事から帰ってきても家がぐちゃぐちゃでテンションが下がってしまうのは、家族のこと、自分のことを大事にしていない、愛していないのとおなじだと思います。
髙橋:自分のなりたいスタイルができてないと人はストレスを感じます。「帰ってきたらやろうと思っていたのに今日もできなかった」と自分を責めてしまう。それなら第三者に頼んでしまえばいいと思うんです。ちなみに今日、私の家にベアーズのスタッフさんが来てくれていますけど、帰るのが楽しみなんです。ピッカピカになってるから。COMA-CHIさんもいつでもご連絡くださいね!
COMA-CHI:ありがとうございます! カジュアルに頼める環境だったらすごくいいですよね。お手伝いさんを呼ぶって敷居が高いと思うんです。でもそれをもうちょっと普通にピザのデリバリーを頼むみたいな感じで、カジュアルにできたら最高ですね。
――働きつつも家事をがんばっている女性に一言、お願いします。
髙橋:がんばらなくていい! ですね。
COMA-CHI:私もそう思います。掃除している自分が1番幸せになれるんだって思って楽しくやっていきましょう!