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料理や掃除は、愛を表現する行為です 男性の家事を応援するプロジェクト

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  • 家事ラップ製作委員会
2016年5月から動画サイトで配信されてきた、男性の家事を応援するプロジェクト「家事ラップ」。これまでの「家事ラップ」へのアンサーソングとして、COMA-CHIさんが 「家事最高!~Cycle dub ver.~」を制作し、18年6月から公開している。今回、COMA-CHIさんと家事研究家の髙橋ゆきさんとの対談が実現した。

COMA-CHI:今日は家事研究家である髙橋ゆきさんのお話が聞けるということで、とても楽しみです。よろしくお願いします!

髙橋:こちらこそ! 男性の家事を応援するプロジェクト「家事ラップ」へのアンサーソング、『家事最高!〜Cycle dub ver.〜』 最高でした!子供が皿洗いを手伝うようになるところで感動しました。

COMA-CHI:ありがとうございます!

髙橋:「拾う 捨てる 濡らす 拭く つける こする 磨く 光る 落とす 垂らす こぼす 泣ける あっという間にまた汚れる」って一緒にラップしたくなりますよね。パートナーやお子さんのことを褒めるっていうところがすごく共感できました。この「家事ラップ」を作られる時、家の掃除にハマっているタイミングだったそうですね?

COMA-CHI:そうなんです。やっぱり掃除は運を呼び寄せたりすることもあるし、気の流れを良くしたりもする。私はスピ系女子なんで(笑)。

髙橋:わかります。私もスピ系女子なので(笑)。あ、私は女子って言えないか。じゃ、「女の志」でスピ系女志で(笑)。

COMA-CHI:(笑)。やっぱり掃除は1番大事だなって思っていますね。

――髙橋さんは家事研究家としてさまざまな人を見てこられたと思うんですけど、家事を苦手だと思っている方って多いと思うのですが。

髙橋:多いですね。苦手というよりも、億劫で面倒くさいっていう人が多いですね。

自分が気持ちよくなる三つの環境づくり

COMA-CHI:私は掃除をすることで、自分がいい気持ちになるとか、いいエネルギーになるっていう感覚を持ってから変わりました。

髙橋ゆき
家事代行ベアーズ副社長・家事研究家
「人生まるごと愛してる」をモットーに、家事代行サービスのパイオニアであり、リーディングカンパニーである株式会社ベアーズの副社長、家事研究家、家事大学学長、日本の暮らし方研究家として幅広い分野で活躍中

髙橋:素晴らしいです! 「楽々掃除」っていう私のスローガンがあるんですけど。まず自分が気持ちよくなる環境作りだと言っていて。一つ目がスタイル。服装であるとか髪型とかメイク。もう一つは香り。そして1番大事なのがミュージックです。この三つの環境が揃うと「I want to do(私はやりたい)」になってくるんです。

COMA-CHI:不思議ですけど、意識を変えて掃除に向きあったら、急に旦那さんの仕事が増えたりとかして。

髙橋:私の著書『可愛くなる家事』でも、同じことを書いてます。部屋が心と体に与える影響は大きくて。心身に何らかの不調を抱えている人のお宅に行くと、一見、部屋は綺麗なんですけど、ほかの部屋を開けるとザーッと物が出てくるとか。そういう状態は危険信号ですね。

――髙橋さんは「家事は男女の仲を円満にする抜群のコミュニケーションツールになりうる」とおしゃってますよね。

髙橋:たとえば愛する人が自分の家に来るってなったら部屋を片付けますよね。食事も作ってあげようかなとか。そういう愛を表現する行為が、片付けだったり掃除だったり料理だったりに現れるんです。それをキープするのが最初は楽しかったはずなんです。だからね、家事がつまらないと思ったらそれは夫への愛情不足なんです。

COMA-CHI:大好きだったら自然と帰ってくるまでに家事をしておこうってなりますからね。

――花王さんのサイト「くらしの研究」によると「既婚男女に聞いた『もっとも苦手な家事』」は男女とも「整理整頓片付け」でした。

髙橋:整理整頓が苦手な人にお伝えしたいのは、必要で好きな物だけに囲まれて暮らすと気持ちいいよってことですね。これまで赤と白が好きで部屋を作ってきたけれども、ちょっとこれは今の私じゃないって思ったら青にするとか、そういうふうに切り替えていくことが大事です。

COMA-CHI:好きな物はその時々で変わりますもんね。必要で好きかどうかが大事なんですね。

髙橋:あと物には住所をつけてあげるといいですね。物が増えてきたらその都度、リプレイスしていく。そんなふうに心地の良い物に囲まれる暮らしは、気持ちがいいんだよっていうことをお伝えしたいです。

COMA-CHI
ラッパー・シンガー
男性ラッパーがマジョリティを占める中で台頭したフィメールMCの代表格。今回、「男性の家事を応援する」プロジェクトとして2016年からKダブシャインが制作してきた「家事ラップ」へのアンサーソング『家事最高!~Cycle dub ver.~』を制作

COMA-CHI:子供がなかなか片付けない時に、一つひとつ「これはアンパンマン」とか、これは「おままごとの果物」っていうのを袋に書いて渡したらしまうようになりました。

髙橋:素晴らしい! ゲーム感覚は大事です。そこに入れておくとママも喜ぶし、私も楽しい……それってすごくいいです!

COMA-CHI:ありがとうございます! ところで髙橋さんが家事代行サービス「ベアーズ」を立ち上げるきっかけになったのはどのようなことだったんですか?

髙橋:私は20代後半で妊娠したんですけど、その時、香港で仕事をしていて。海外なので親も含め手伝ってくれる人が誰もいなくて。ものすごく不安でした。

COMA-CHI:妊娠中って些細なことで落ち込んだりしますよね。

髙橋:そんな時にスーザンというフィリピン人のメイドさんと出会って、私の人生観がガラッと変化したんです。香港ではお金を払って家事を頼むことは当たり前で。でも当時の日本は、母として妻として女性として失格みたいに思われていた。今でもまだそう思われがちだと思うんです。でも私は助けてって言い合える社会こそ、この国にも必要だと思ったんです。

COMA-CHI:素晴らしいですね。

髙橋:今も5200人ぐらいのスタッフさんが、「女性の"愛する心"を応援します」ということで、朝から晩までご縁あるお客さんのご家庭に行ってくれてます。でも彼女たちスタッフも助けているだけじゃないんです。彼女たちもこの仕事に巡り合えて感謝しているんです。

暮らしは、幸せの最小単位であり最大公約数

COMA-CHI:代行してもらう側だけじゃなくて代行している側も応援しているんですね。

髙橋:そうです。すべての「女性の"愛する心"を応援します」なんです。暮らしとか家庭という、幸せの最小単位であり最大公約数、そこがちゃんとしてないと、どこに行って何をやったってうまくいかないと思うんですよ。COMA-CHIさんも出産、育児もされていて音楽をやる時間を捻出するのって大変でしょう? 変わったことってありますか?

COMA-CHI:子供が大きくなった時にお母さんはこんな結果を残してきたんだっていうことを背中でちゃんと感じさせられるような人間になりたいって思うようになりました。

髙橋:素晴らしい生き方ですね。パパたちには申し訳ないけどママの影響ってすごいんです。このあいだ女子短大で講演をするにあたって、アンケートをとってみたら、お子さんが影響を受ける人っていうのは、母親が7割以上を占めているんですね。母親が汚い言葉を使っていればそのまま汚い言葉を使う子になるし、母親が悪口ばっかり言ってると悪口を言う子になってしまう。

――仕事と子育てと家庭のバランスをどう世の中の女性はとっていくべきでしょうか。

髙橋:世の中は働き方改革って言ってますけど、私は働き方改革と暮らし方改革は両輪じゃないといけないと思っていて。それと同じで仕事と子育てのバランスというのではなくて、思ったことはやる、よく言えばやりたいことは全部やり切ること。どんな瞬間の自分のことも愛して生きていくことです。

COMA-CHI:自分を愛するって本当に大切ですよね。家事がつまらないと思ったら旦那さんへの愛情不足とおっしゃってましたけど、もっと言えば自分が住んでいて心地よくなる環境を作るって事が家事だと思うので、仕事から帰ってきても家がぐちゃぐちゃでテンションが下がってしまうのは、家族のこと、自分のことを大事にしていない、愛していないのとおなじだと思います。

髙橋:自分のなりたいスタイルができてないと人はストレスを感じます。「帰ってきたらやろうと思っていたのに今日もできなかった」と自分を責めてしまう。それなら第三者に頼んでしまえばいいと思うんです。ちなみに今日、私の家にベアーズのスタッフさんが来てくれていますけど、帰るのが楽しみなんです。ピッカピカになってるから。COMA-CHIさんもいつでもご連絡くださいね!

COMA-CHI:ありがとうございます! カジュアルに頼める環境だったらすごくいいですよね。お手伝いさんを呼ぶって敷居が高いと思うんです。でもそれをもうちょっと普通にピザのデリバリーを頼むみたいな感じで、カジュアルにできたら最高ですね。

――働きつつも家事をがんばっている女性に一言、お願いします。

髙橋:がんばらなくていい! ですね。

COMA-CHI:私もそう思います。掃除している自分が1番幸せになれるんだって思って楽しくやっていきましょう!