SAP HR Connect Tokyo 未来を切り開く人事
ごあいさつ
SAPジャパンの稲垣利明本部長は、今回20回目のSAP HR Connect参加者が約500人と過去最多になったことに触れ「経営戦略の一部になった人事施策への関心の高さがうかがえます。人が相手の難題に取り組む皆様をつなぎたい」とあいさつした。
特別講演1
グローバルカンパニーへの変革とワールドカップ優勝に向けて
~組織、文化を変え、グローバルで戦える人財への進化~
ルネサスエレクトロニクスの山並裕尚氏は「世界と競う『ワールドカップ』に勝つグローバル企業」を目指した改革について語った。
昨年完了した米国インターシル社買収ではグローバル企業との違いを実感。
責任の所在が不明な大企業病を脱し、事業本部ごとの損益管理、権限委譲といった組織改革が進められた。
特に違いが大きかった人事制度は抜本的に見直し。報酬や評価制度も半導体のグローバルスタンダードに近づける改定を行い、また人事管理システムを導入してデータを世界共通化した。価値観の異なる人々をグローバルにまとめるビジョンを社員主導で策定する取り組みも推進。「人、IT、業務プロセスが結びつき生産性の高い成長指向のグローバル組織へと進化している」と話した。
特別講演2
第一三共が挑むグローバルタレントマネジメント
~『人材マネジメント理念』をベースとしたリーダーの選抜・育成~
第一三共の古田弘信氏は、2007年の第一製薬と三共の統合からのグローバル人事変革を紹介した。
まずは、各拠点人事担当同士のグローバルな関係構築から始め、中期経営計画第2期( 10~12年)でコアコンピテンシーモデルや国際間異動ポリシー策定などの共通施策を実施。第3期(13年~)以降、グローバルタレントマネジメントの構築を進めた。
キーグローバルポジションを定め、グループ内各組織から、その職の後継候補人材などの情報を収集。候補者の一部は、外部アセスメントを受け、その分析結果も活用しながら自身で育成計画を立案する。「かなりのリーダー人材プールを持ちつつあり、今後、プールされたタレントが登用されていくと思います」と手応えを話した。
パートナー講演
Future Work Now
~未来の働き方を今からはじめよう~
SAPジャパンのパートナー、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの鵜澤慎一郎氏は「デジタルディスラプションでビジネスが変わる時代に人事も変わるべき」と問題提起。自社のグローバル人事変革を説明した。
仕組みの考え方として「HRのサービスはユーザー目線で提供した方が効率的」と強調。組織階層の複雑さや、人事慣習からシステム導入が難しいという反応が多い日本企業に対して「ビジネス価値を考えるべき」と訴え、グローバル一貫性や、マネジャーが部下の評価、異動を行うセルフサービス化したプロセスによる効率化を促した。
また、EY自らの変革での経験を基にした標準プロセスを、あらかじめSAP SuccessFactorsに設定したソリューション「HR360」についても紹介した。