シンガポールのイノベーションエコシステム Japan-Singapore Innovation Corridor

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ゲストスピーチ Innovation事例紹介
シンガポール・ASEANを起点とした
グローバルイノベーション

Barbara Guerpillon 氏 / Head of Unilever Foundry SEAA & LEVEL3

世界有数の消費財メーカーのユニリーバと、テクノロジーを持つ社外のスタートアップ企業とをつなぐ役割を担うユニリーバ・ファウンドリーのBarbara Guerpillon 氏は「ユニリーバが、これからもパイオニアであり続けるためのオープンイノベーション・プラットフォーム」と同ファウンドリーを定義、経営トップの強いサポートがあることにも言及した。

ユニリーバ・ファウンドリーは、スタートアップ企業からブリーフィング、プレゼンテーションを受け、資金を拠出してパイロット事業を実施。成功すれば、ユニリーバのパートナーとしてスケールアップの段階に進む。世界で150以上のパイロット事業が行われ、シンガポールでも、ラックス・ブランドがプロダクトレビューを収集するスタートアップ企業と協業、東南アジア市場向けの新製品開発に役立てている事例がある。シンガポールでの成功により、その取り組みがASEAN、さらにはグローバルへと展開されたケースもある。

ファウンドリーのオフィスがあるビルの3階には、協業スペース「レベル3」を開設。スタートアップ企業経営者は、ここで、スキルアップのコンサルティングや、メンタリングが受けられ、他社とのつながりも築くことができる。ユニリーバのようなグローバル企業も、スタートアップ企業と競争するのではなく、協働していくという新たな関係性の構築を始めている。「私たちは、このようにスタートアップ企業と一緒に仕事をする近接性が重要と考えています」と語った。

プレゼンテーション
シンガポール/ASEANのスタートアップエコシステム
参入にあたってのポイント

Zhifeng Koh 氏 / Accenture Ventures Open Innovation Lead - Singapore; Technology R&D Principal

大企業とスタートアップ企業の連携でオープンイノベーションの推進を支援するアクセンチュア・ベンチャーズのZhifeng Koh氏は「私たちが両者の架け橋になることで、スタートアップ企業は、テクノロジーやソリューション開発、大企業は豊富なリソースという、それぞれの強みを生かせると思います」と述べ、世界約20万社のスタートアップ企業をモニタリングしており、大企業に協業先候補をリストアップできることをアピールした。

投資家の間で重視されているスタートアップ企業の創業者のマインドセットや、創業期の成功と強い相関がある地元起業家同士の「ローカルネットワーク」の強さ、グローバル市場へのリーチの先行指標となる、海外起業家との「グローバルネットワーク」の強さについて、シリコンバレーなどの起業が盛んな都市の中でもシンガポールがいずれの項目でも世界的に高いスコアであることを示した。

また、スタートアップ企業との協業成功例に言及。スタートアップ企業のアプリを導入して、従業員エンゲージメントを高め、現場技術者の士気を向上させ、システムエラーを削減した鉄道会社などの具体例を示し、成功のポイントは「スタートアップ企業を知り、そこにいる人を知るネットワーク」「メンタリングを提供できるポジションにいること」などを挙げた。

クロージング

Alison Kennedy 氏 / Accenture Strategy, ASEAN Managing Director

アクセンチュアのAlison Kennedy氏は「日本には、イノベーションの豊富な実績があるが、今後は海外のイノベーションから学ぶことも大切」と提起。その候補地の一つにシンガポールを挙げた。特にアジアを中心としてさらにグローバルな飛躍を模索する日本企業にとってシンガポールが重要なカギになりうると述べた。また、会場のイノベーション・ハブ東京について「ここで、皆さんと、イノベーションの多様な事例を共有したい」と述べ、併せてシンガポールの同様のハブも訪問することで最新の事例に触れ、アイディエーションをするなど「さまざまなことを体感していただきたい」と語った。

お問い合わせ
アクセンチュア
シンガポール経済開発庁