働き方改革の当事者ならではのリアルな提案 柔軟な働き方に対応する就業管理の仕組み
三つの目標を掲げ働く環境を整える
「当社ではまだ働き方改革という言葉が一般化する前から、フレックス勤務や時短勤務、裁量勤務などの制度を整備してきました。2016年度からは、『もっと柔軟な働き方』『もっと早くカエル』『もっとコミュニケーション』をスローガンとした全社運動『カエルキャンペーン』を展開しています」と紹介するのは、日立ソリューションズ スマートライフソリューション事業部 ライフスタイルイノベーション本部 働き方改革エバンジェリストの伊藤直子氏だ。
同キャンペーンでは、2020年度に向けての目標として、「育児・介護を理由とした退職者ゼロ」「総実労働時間を2015年度と比較して100時間削減」「メンタル罹病率をIT業界最低水準に」の三つを掲げている。施策としては、柔軟な働き方の推進、組織の生産性向上による労働時間の削減、情報の共有などに取り組んでいる。
「お客様の課題解決のお手伝いをしているのに、ご相談の多い働き方改革を当社自身が進めていなければ現実的な提案もできません。そのための知見やノウハウを蓄積するためにもさまざまな挑戦を続けているのです」(伊藤氏)
成果も着実に出ている。残業時間は大幅に減少し、年次有給休暇取得率も向上しているという。注目すべきは長時間労働の是正などだけでなく、業績も上がっていることだ。伊藤氏は「営業利益率は、2年連続で伸びています」と明かした。
これらの成果は社外からも高く評価され、ワークライフバランス、ダイバーシティなどに関連する表彰も受けている。「単に制度をつくるだけでなく、経営トップがコミットメントし、全社的に取り組んできたことが成果につながってきたと感じています」と伊藤氏は振り返る。
多種多様な勤務形態に対応できる「リシテアシリーズ」
ライフスタイルイノベーション本部 リシテアソリューション部担当部長の温井憲和氏は「当社は働き方改革推進のため、『リシテア』などをはじめとする『ワークスタイル変革ソリューション』を提供しています」と話す。
「リシテア」は、従業員が行う出退勤打刻や申請業務、人事部門の人事・給与管理業務の効率化や、企業の重要な経営課題である人財戦略を支援するソリューションである。1994年の提供開始以来、国内大手企業を中心に1230社が導入し、168万人に利用されている。