IoTで激変する住宅「最新ブランド」事情 おはよう、と言えばカーテンが開く時代

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そのためには、他社との連携が欠かせない。同社単独で行うより、他業種のノウハウを取り入れてイノベーションを目指すほうが、充実した機能を実現できるからだ。IT・通信系をはじめ日用品や食品のメーカー、医療系といった、普段は接点を持たない異業種との連携を見据えているという。

フェア開催中

6月16日~7月29日の期間で、フェアを開催中。全国の会場で「Daiwa Connect」のIoT技術を体験することができる

昨年の実証実験は「実は、他社連携へ向けた『仕掛け』でもありました」と大友氏は明かす。「実証実験は波紋を呼んだようで、多くの企業や研究機関に足を運んでいただきました。そのうち40社ほどから連携のオファーがあり、具体的な提案も受けました。すでに、商品化に向けて検討を開始した案件もあります」。こうした見学可能な建物は、すでに全国60カ所以上に広がっている。今年中には150カ所以上で体験できるように準備を進めているとのことで、6月16日から7月29日にかけて全国的なフェアを実施中だ。

AIやIoTによって、これからの住宅はどう変わっていくのだろうか。

住宅が人の健康を管理、住宅自体の寿命も長くなる

たとえば、より緻密な健康管理ができるようになるかもしれない。宅内センサリングで体温や脈拍といったバイタルデータを取り、変化を検知すれば、病気の予防や早期発見につながる。「あるいは顔認証で健康状態や年齢を把握、AIと連動して浴室の環境を調整することで、冬場のヒートショック防止にもなります。法制上の課題がありますが、技術的にはすでに実現可能です」と、大友氏は自信を見せる。

音声認識機能を取り入れた、快適防音室「奏でる家」。声でカーテンやスクリーンが作動し、周囲を気にせず、映画などが豊かな響きで存分に堪能できる

一方、住宅そのものの「健康管理」も期待できるという。「経年による状態変化を捕捉して、問題が発見されれば自動的に住宅メーカーに連絡がいくなどの工夫も可能になるはずです。人間と同様、問題が顕在化する前に先回りして手を打つことで、住宅の寿命も長くなると考えています」(大友氏)

同社は、住宅事業以外に物流施設や商業施設なども幅広く手掛けている。各事業部門がシナジーを発揮し、大規模な街づくりまで一気通貫に完結できる「総合力」が大きな強みだ。

単一のアイテムやサービスにとどまることなく、家全体、そして街全体をパッケージでデザインできるのは、人・街・暮らしの価値共創グループを掲げる同社の魅力。他部門との協業を通してIoTやAIがさらに深まり、住宅だけでなく街全体に、そして世界へ生かされていけば……。豊かな暮らしへ、夢は広がるばかりだ。

テクノロジーによって、住宅が変わる。そして日常生活そのものが変わっていく。今まさに、私たちはその入り口に立っているのかもしれない。

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