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大増税時代の賢い住宅選び

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
いま住宅は買い時なのか。来年4月に消費税は現行の5%から8%へ、さらに2015年には10%へ引き上げられる。不動産価格や住宅ローン金利の上昇も予想される中で「やはり、いま」との声が聞かれるが、「住宅購入にあたっては中長期的かつ広い視点で」と促すCFPの北野琴奈氏に話を聞いた。

  

消費増税に慌てず十分に情報を収集し検討を

 

――― 消費税が現行の5% から2014年4月には8%へ、15年10月には10%へ引き上げられます。これから住宅購入をしようとする人は、どう考えればいいでしょうか。

 
CFPファイナンシャルプランナー
北野琴奈 Kotona Kitano
 
津田塾大学英文学科卒。自らポートフォリオを組み、金融・不動産を含めた資産を形成、運用中。不動産は国内外に6棟のアパート・マンション、計104室を所有。実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリア、モチベーションアップなどに関する講演、執筆、個人相談業務などで活躍中。TBS「がっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BS12「未来を変える資産づくり!~はじめてのマンション投資」などメディア出演・取材協力多数

北野 まず基本的なこととして、消費税が課税されるのは建物だけで、土地は非課税です。物件の価格のうち、土地がいくらで建物がいくらなのかを分けて考える必要があります。総額が同じ物件でも、増える税額は変わるということです。自分が考えている物件がどのくらい税金が増えるのかを具体的な数字で把握し、それと金利情勢や物件価格動向、税などの優遇措置を合わせて総合的に判断する必要があります。

たとえば、物件購入にあたって、3000万円を借り入れ、返済期間35年、元利均等方式で返済するとします。金利2.0%の場合と2.2%の場合を比較すると、総返済額は130万円以上の差になります。建物価格が2000万円だった場合、消費税が3%引き上げられると60万円上がるわけですが、単純に数字だけ見ても、金利が上がった場合の影響は大きいことがよくわかります。


 ―――政府は、消費税の増税を行う一方で、住宅購入の優遇制度も進める予定です。活用のポイントは。
北野 優遇制度には、住宅ローン減税、すまい給付金などがあります。まず住宅ローン減税は、2013年で期限切れとなる制度が17年まで延長されました。さらに消費税が8%となる14年4月以降は、一般住宅の場合、ローン残高の1%を所得税・住民税から差し引く最大控除額が10年間で200万円から400万円に引き上げられます。「すまい給付金」は、消費税率引き上げによる住宅取得者の負担を緩和する制度で、消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の人を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の人を対象に最大50万円が給付されます。

いずれの制度も最大控除額や給付額が注目されがちですが、たとえば、住宅ローン減税の最大控除額が400万円になる人は、物件の価格(ローン残高)も収入(納税額)も高い人ということになり、さほど多くありません。

収入やローン、家族構成などによって内容は一人ひとり異なります。自分がいくら控除・給付になるかあらかじめ調べておくとよいでしょう。「すまい給付金」のサイトではシミュレーションができる専用ページを設けているので利用すると便利です。

変動リスクを抑え将来を見越した資金計画が大切


 ―――住宅を購入するにあたって、どのような点に注意すべきでしょうか。
北野 消費税など目先の制度の変化にとらわれず、中長期的かつ広い視点
で考えるようにしたいものです。

たとえば市場や制度の動向です。増税については、消費税だけでなく、相続税についても基礎控除額が引き下げられ、増税になる見込みです。このことからアパート経営を検討している土地オーナーが増えています。アパートの新築件数が急増すれば、職人さんの単価も上がる可能性が大きくなります。円安の影響で建材価格の上昇もある中、自分が購入しようとする物件の建物価格も値上がりするかもしれません。

金利についても、政府や日銀が物価情報の目標を掲げていることから、近い将来には引き上げられることが考えられます。また土地の価格も底値感があり、今後は上昇することが考えられます。その一方、少子高齢化で全体の人口が減少していく傾向に変わりはなく、すべての不動産で価格が上がっていくわけではないでしょう。他マーケット同様、不動産市場も基本的には需要と供給の関係で価格が決まっていきます。


 ―――資金計画もますます重要になりそうです。
北野 そのとおりです。税制など、なかなか変化が読みづらい時代になっています。金利も急に上がる恐れもあります。こういった自身でコントロールすることが難しいものが変動するリスクをできだけ抑えることが資金計画においては重要です。

最近は晩婚化傾向にあり、子どもを持つ年齢が上昇しています。このような家庭では、住宅購入、教育費、老後の資金づくりなどの課題に同時に対応しなければならなくなります。

夫婦共稼ぎの家庭も多いでしょうが、子どもが生まれると、夫か妻、どちらかの収入が停滞することになります。2人の収入を合算してローンを組んでしまうと、いずれ返済が苦しくなります。リスクを抑えるためには、どちらかの収入は教育費と老後の資金にするつもり、というぐらいに考え、その範囲で返済できる住宅を購入するというのも、一つの方法です。

このようなことを考えると、正解は一つではないことがおわかりいただけると思います。将来にわたるリスクやさまざまな動向を考慮しながら、「わが家にとってふさわしい物件、ふさわしいタイミング」を家族で話し合い、判断することが大切です。