時代を先駆け取り入れた商品開発視点とは? 環境配慮の取り組みが「安全」を生み出す
安全衛生の商品開発は環境配慮も怠らない
ミドリ安全は1952(昭和27)年の設立以来、安全衛生保護具の総合メーカーとして「安全・健康・快適職場への奉仕」を社是としてきた。この考え方に基づいて現在販売する商品は10万アイテム以上。その約7割以上は、同社のオリジナル商品だ。工場や建設現場は言うに及ばず、医療や介護などの場でも同社の商品は数多く使われている。
服装解剖学に基づいて動きやすさや安全性、快適性などを徹底的に追求した同社のユニフォームは、ありとあらゆる産業の職場で使われているといっても過言ではない。また、滑りやすい環境で威力を発揮する高耐滑性の作業靴「ハイグリップ」は、ファストフード店や回転ずし店などにほとんど標準のように入っている同社の大ヒット商品だ。
さまざまな状況で働く人たちの「安全」を高める商品を社会に提供してきた同社は、一方で設立以来「環境」への配慮も怠らなかった。そのことについて同社の取締役企画管理部長の久保健二氏は次のように説明する。
「安全で健康な職場にするためには、環境にも配慮することが必要になります。そういう意味でもともと安全と環境は親和性が高いのです。だから当社としては環境配慮型商品を開発するのは当然のことと考え、環境問題が大きくクローズアップされる前から取り組んできました」。
素材から制度まで環境に取り組む
同社では、環境配慮型商品を開発するために時代に先駆けて先進技術をつねに積極的に取り入れてきた。素材でいえば、石油を主原料にしたポリエステルではなく、植物由来の合成繊維ともいえるプランテックスを採用。CO2の総量を増やさないことに貢献している。
「当社は1997年からペットボトルの再生繊維を使ったユニフォームなどを開発してきましたが、プランテックスはペットボトル再生繊維からさらに一歩進んだエコ素材といえます。風合いなどは従来のポリエステルとまったく変わりません。今はお客さまも環境に対する意識が高く、この素材をご提案すると強い関心を示されます」(同社営業統括本部ユニフォーム統括部営業部長・宗形浩一氏)。
同社のプランテックスグローブシリーズは、植物由来の合成繊維を使用した作業手袋分野で、初めてエコマークの認定商品になっている。