グローバル市場でも拡大をみせるエコマーク 競争力の発揮できる認証として注目

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現在では、新たな環境ラベルを制定する国で、基準づくりのサポートも行っており、日本のエコマークを参考にしていただけることも多くなりました。日本のエコマークと親和性の高い環境ラベル制定が世界で進んでいくことで、日本の企業にとっても国際競争力の面で優位に働くものと考えています。

サービス領域へのエコマークの拡大

藤崎 また、「エコマークアワード2017」の受賞企業を見ていただくと分かるのですが、コミュニケーションツールとしての活用も進んでいます。エコマークは取得して終わりではなく、たとえば環境に配慮したライフスタイルの提案など、消費者とのコミュニケーションに役立てることが狙いの1つにあります。今年の受賞企業様の多くが単体の製品での認証取得にとどまらず、継続的に取得を進めるなどエコマークを環境経営の指針として位置付けていただいています。

―エコマークは、これまで商品を中心に認証対応を拡大してきましたが、近年ではホテル・旅館、飲食店といったサービス領域にも拡大されています。その狙いと取得メリットはどのような点にあるのでしょうか。

藤崎 ホテル・旅館や飲食店というのは、これまでの商品を基軸とした認証のように、環境性能が高い商品を直接、消費者が選ぶというものではありません。サービス分野では店舗自体が省エネに取り組んでいるか、フードロスを減らしているかといった評価項目が設けられています。いわば、店舗や企業の姿勢そのものを消費者に問うものであり、より組織全体の環境への配慮を見える化できる認証と言えるでしょう。

また、環境への負荷軽減を目的とした従業員教育の側面にもメリットがあるといった声もいただいています。世界の環境ラベルの先駆けである「ノルディックスワン」を持つ北欧諸国では、ホテルや飲食店での取得が進み、目立つところに環境ラベルが掲げられています。利用者も環境ラベルのあるホテルや飲食店を利用しようといった意識があります。

20年に向けてのインバウンド需要に対し、日本のエコマークも訪日外国人に向けてアピールしていきたいと思っています。

環境配慮だけでなく社会課題へのアプローチも

エコマークとは
エコマークは、さまざまな商品(製品およびサービス)の中で、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベルです。

藤崎 1つ大きなトピックスとなるのが、30年に向け国連で掲げられた「持続可能な開発目標(SDGs)」です。企業様の中でもSDGsへの対応を意識されていますが、「17の大きな目標とそれらを達成するための具体的な169のターゲット」という広範な構成になるため、具体的にどこから着手すべきか迷われることが少なくないようです。SDGsの目標の中には環境の側面でエコマークと共通する項目がありますので、今後はその関係性を分かりやすく提示しながら、企業様とSDGsのハブにエコマークがなれたらと考えています。

また、SDGsでは「持続可能性」が1つのキーワードになっていて、環境側面だけでなく、社会側面(人権、労働慣行など)と経済的側面(持続可能な経済成長など)にも配慮していこうという流れが出てきています。エコマークはあくまでも環境基軸ですが、社会課題の解決へのアプローチにも取り組んでいきたいと思います。設立から30年となるエコマークですが、時代の要請に応えながら、今後も進化し続けていきたいと考えています。

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