「医学部合格の鍵」を握る夏休みの過ごし方 正しい学力を見極め、情報戦を勝ち抜く!

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入試改革を控え、競争激化する医学部入試

入試の合否を分ける"天王山"ともいわれる夏休みが迫ってきた。受験生の学力特性と各大学の入試の出題傾向の相性を見極める緻密な個別指導で高い合格実績を誇る医系専門予備校メディカルラボ情報研究所所長の山本雄三氏は「夏休みに向けた今は、自身の学力特性を把握し、合格可能な志望校を見つけるために大切な時期です」と呼びかける。

メディカルラボ情報研究所所長
山本雄三

2018年度入試の医学部志願者数は、国公立大で前年度比1000人超減となり、右肩上がりだった私立大も減少に転じた。大学進学率が頭打ちとなり、この数年、ほぼ横ばいだった18歳人口が減少する『2018年問題』の影響もあり、「医学部入試に陰りがでてきた」という指摘もあるが、山本氏は「医学部合格ボーダーの偏差値は下がっておらず、競争が緩和されたわけではありません」と、くぎを刺す。

それどころか、医学部受験競争は今後、一段と厳しさを増す可能性もある。理由は大学入試改革だ。2020年1月を最後にセンター試験が廃止され、21年から大学入学共通テスト実施を柱とする新入試制度に移行する。これまで「2浪、3浪を覚悟してでも、意中の志望校を目指したい」という受験生や保護者も多かったが、山本氏は「入試改革は、浪人生に不利に働く懸念があり、リスクを避けたい受験生が志望校レベルを下げてくるとみられます」と予想する。
 さらに、医学部以外に入学して卒業後に医学部受験を目指す再受験生も「卒業を待たずに入試改革前の受験に動くことが予想され、医学部入試全体のボーダーは上がるのでは」とみる。

もう一つ、受験競争の動向に影響するのが、中長期的に削減される見通しの医学部定員の行方だ。特に、地域による医師偏在を是正するため、卒業後の地域医療への従事を求めて地方大学などに設けられている地域枠も、受験資格を県内在住や県内高校卒業・卒業見込みに限定するなどの厳格化を進めていて、受験生によっては実質的に門が狭まることもありそうだ。

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