「動画」こそがメディアの未来だ スマートフォンの主役をめぐる大バトル
主催:東洋経済新報社
ゴールドスポンサー:インフォバーン
イベントスポンサー:日本ビジネスプレス、文藝春秋
メディアパートナー:DIGIDAY
主催者あいさつ
東洋経済オンラインの山田俊浩編集長は、2014年から不定期開催で、8回目となったメディア戦略セミナーを今後は3カ月おきに定期開催すると表明。また、自社サイトで閲覧された「純PV(ページビュー)」と外部配信先のPVを加えた「総PV」を分けて開示することで「ネットメディアの信頼を高める」取り組みを紹介した。
ディスカッションI
「1分間動画」はどこまで伸びるのか?
第1部は東洋経済新報社の長瀧菜摘記者の進行で、動画メディアで注目の3社が、ビジネスの現状や今後の展開について語った。
レシピ動画メディア「DELISH KITCHEN(デリッシュキッチン)」などを運営するエブリーの吉田大成氏は「これからはスマートフォンの画面の奪い合いになる。2020年までにユーザー規模とマネタイズの両面を伸ばしたい」と述べた。レシピのほか、若い女性向け、ママ向け、ニュース・エンタメ系でも既に動画メディアを展開中。今後は、テレビCM等と比べて認知度向上効果や好感度が高いとされる動画広告の強味を生かし、資本業務提携したKDDIのユーザー基盤やEC事業者の商品調達・配送網と連携して、ライブコマース基盤を構築する考えを示した。
無料動画視聴サイトへの自作動画投稿で稼ぎ、小中学生の人気職業でも上位にランクされるクリエイターをサポートするUUUM(ウーム)の鎌田和樹氏は「動画を見てもらうためにPDCAを回し続けている。根気よく改善すれば成功できる」と話した。専属クリエイターをそろえ、配信動画の月間再生回数は30億以上。同社は、動画閲覧サイトから還元される広告収入や、訴求に最適なクリエイターとの商品紹介動画制作等で収益を獲得。「メディアとしての力を持つことが大事」と話した。
メイク・ヘアアレンジ・恋愛・料理など女性の関心の高いテーマを中心とした動画を配信する、女性向け動画メディア「C CHANNEL(シーチャンネル)」を運営するC Channelの森川亮氏は「自分に合うものしか見ないという女性向けの場合、国内だけでは市場が小さい」と、日本のほか、中国、韓国、台湾、タイ、インドネシア等への海外展開にも注力する。SNSファン数は全世界で2500万人を突破した。インフルエンサーのキャスティングや効果測定ができる動画広告プラットフォームの開発、3つのECサイトも運営。動画コマースも開始し、若い女性にリーチしたい企業との商品企画を幅広く展開。「日本にあこがれるアジアの人を増やしたい」と語った。
スポンサーセッション
デジタルマーケティングの「DIGIDAY[日本版]」など12メディアブランドを運営するインフォバーングループ、メディアジーンの芹澤樹氏は、SNSなどのプラットフォームが台頭し、コンテンツを提供するメディアに十分なフィーが回らない問題を指摘。パブリッシャーはユーザーと直接つながり、広告収入だけに頼らない新ビジネスへ挑戦すべきと強調。最新メディアビジネスに必要な機能を搭載したパブリッシャーのためのアライアンス・プラットフォーム『SORS』を提案した。