ものづくりDNAを持つIT戦略会社 IoTに次ぐ第5の新規事業にチャレンジ
セキュリティ対策に携わっている人なら、Webフィルタリングソフト「InterSafe WebFilter(インターセーフ ウェブフィルター)」の名前を聞いたことがあるかもしれない。最近になって、情報漏洩対策や標的型攻撃などの外部脅威対策の必要性からWebフィルタリングが注目されているが、同社は1996年より日本で初めてフィルタリング事業を開始。官公庁や学校でも広く採用されており、同社によると、国内Webフィルタリング市場では14年連続で市場シェア1位を獲得しているという。
IoTソリューションを新たな事業の柱へ
「『製造流通ソリューション』『セキュリティソリューション』『ファームウェアソリューション』という従来の3つの事業の柱に加え、4つ目の柱として、今後大きく成長すると期待しているのが『IoTソリューション』です」と永倉氏。「IoTを実現する要素技術はモノとモノをつなぐネットワーク技術、センサーやモーター、各種機器を制御する技術、セキュリティ技術とされています。それはまさにアルプスグループおよびALSIが長年にわたり実績を重ねてきた分野にほかなりません」と語る。
「部品コストやランニングコストなどの観点から、日本の製造業ではIoTの導入に慎重な企業が少なくありません。当面は製品単価の高い自動車やヘルスケア、国が支援する農業などの分野が先行すると考えられます。当社が培った技術やノウハウを生かし、最先端の分野をキャッチアップするとともに、普及が加速する際には一気に攻勢に出られるよう、今から経営リソースを投入していきます」
ALSIは、アルプスグループの安定した財務基盤を背景に、特色あるソリューションの開発・提供に努めてきた。売上高は着実に伸びており、特に直近は6年連続で増収を達成。2017年度は売上高100億円に届く見込みだ。
「さらなる成長のためには、これまで以上に幅広いお客様にサービスを提供していかなければなりません。今後さらに事業を拡大していくためには、グループ外のお客様の売上高、いわゆる外販比率をこれまで以上に伸ばしていく必要があります。2020年には創立30周年を迎える節目の年となるので、今からその足がかりを作っていきたいと考えています」(永倉氏)
成長戦略を実現するためにも、人材が大きなカギを握ることは想像に難くない。
「新たな目標を達成するためには、人材、特に多様な人材の採用・活用が不可欠です」と永倉氏も話す。人材の拡充のために、新卒採用に加え、経験者採用にも力を入れていく考えだ。
「SE(システムエンジニア)の人はもちろんのこと、営業職や企画職など幅広い職種で活躍の場が広がっています。何よりも、現場に近いものづくりのDNAを持つ当社は、これからもさまざまな産業や業務の知識を生かして次々に新たな提案ができる存在を目指しています。IoTに続き、第5、第6の柱を生み出さしていかなくてはなりません」
実際、ALSIに入ってからキャリアチェンジを果たしたケースもあるという。『製造流通ソリューション』『セキュリティソリューション』『ファームウェアソリューション』3事業では、グローバルで活躍できる環境も。また、経験者採用で入社した後も、様々なスキルを身に付けることができる研修制度も用意されている。
「『社員一人ひとりの成長の総和が会社の成長につながる』というのが当社の考え方です。若手社員にも積極的に責任ある仕事、ポジションを任せます。たとえ失敗しても挑戦したことに加点するのが当社のやり方です」と永倉氏は力を込めた。