
主催:公益財団法人日本適合性認定協会
後援:日本経済団体連合会、経済産業省、国土交通省、農林水産省、日本マネジメントシステム認証機関協議会
協力:東洋経済新報社
【開会挨拶】
飯塚悦功理事長
開会でJABの飯塚悦功理事長は「標準化と第三者適合性評価の活用による我が国の産業競争力向上とより良い社会の実現に向け、考察を深めていただければ」とあいさつした。
【来賓挨拶】
末松広行氏
経済産業省の末松広行氏は「あらゆるモノやサービスがつながる時代には標準が重要。そのルール作りに関わることも大事」と指摘。ISO幹事引き受けやJISの対象拡大など、国際標準化に対応するための国の取り組みを説明した。
【講演1】
金森均氏
ヤマトホールディングスの金森均氏は「小口保冷配送サービスの国際標準化」について講演。小口保冷配送サービスをアジアで展開する際、日本と違い必ずしも十分な品質のサービスが提供されていない現状を打開し、安心してサービスを利用いただける環境を整えるため、国際規格PAS(公開仕様書)1018を策定した取り組みを説明。「物流事業者のPAS取得が促進されることで健全な市場創出につながる」と述べた。
【トークセッション】
高木美香氏
「ルールテイカーからルールメイカーへ」のテーマで議論。モデレーターの経済産業省、高木美香氏は、国際標準の決定プロセスの変化を指摘。「標準は各国で強制規格に引用されており、規制も含めたルール形成戦略が必要」と語った。
持丸正明氏
産業技術総合研究所の持丸正明氏は、スキージャンプの板の長さの規定変更を例に「ルールに従うだけでは勝てない」として評価軸合意形成をリードすべきと主張。認証戦略の一例に、日本の労働人口減を背景に、徹底して手間をかけるのでなく、顧客との共創価値等を基本にした「おもてなし規格認証」を挙げた。
羽生田慶介氏
デロイトトーマツの羽生田慶介氏は、欧米企業のルール形成戦略の事例に言及。新市場創出等により「ルール形成は事業戦略の強力なツールになる」と述べ、官の規制も組み合わせ、民間企業主導の標準や調達ガイドライン戦略で短期に利益を上げられると強調。ルール形成活動が鈍い日本企業のリテラシーの向上を訴えた。金森氏は、ルール策定コストは社内外リソース活用などで「それなりにかかる」と述べ、トップダウンの必要性を示した。
【ショートプレゼン】
藤巻慎二郎専務理事
JABの藤巻慎二郎氏は「適合性評価制度の解説」を行い、製品・サービス等の評価機関の能力を審査するJABなどの認定機関の役割、海外認定機関との国際相互承認により、同等性を担保された評価が世界で通用する仕組みを説明した。
【講演2】
横田美香氏
農林水産省の横田美香氏は「食品安全管理等における第三者認証の活用と今後の展開」について講演。フードチェーンが国際化、複雑化する中で、食品安全や農業の持続可能性などの社会課題解決に向け、商品だけからは見えない価値の透明性を高めるには、規格・認証が有効である。官民が連携して、JFSやGAP認証、水産エコラベル、森林認証等民間認証の活用を進めていくことが重要と指摘。現場の実態を踏まえること、信頼性の確保の重要性にも言及した。
【講演3】
常山修治氏
国土交通省の常山修治氏は「国土交通省における国際標準ならびに第三者評価制度の利用」を講演。老朽化が進む社会インフラの最適な維持管理のため、さらには民間資金等を活用するPFIなどを視野に、アセットマネジメント規格ISO55000シリーズ活用の有用性、仙台市での導入事例を紹介。同規格の普及に向けて設立された日本アセットマネジメント協会に言及した。
【講演4】
小川眞佐子氏
環境省の小川眞佐子氏は「地球温暖化対策における国際標準と第三者検証制度」の演題で登壇。排出枠取引を伴うASSET(先進対策の効率的実施によるCO2排出量大幅削減事業設備補助)や二国間クレジットなど、排出枠取引を伴う事業において排出量算定の信頼性を確保するためのISO14065活用や、気候変動関連のISO規格の開発状況について説明した。
【講演5】
宮島喜文氏
日本臨床衛生検査技師会の宮島喜文氏は「医療における認定制度導入の効果と標準化による臨床検査の品質保証」について講演。国の健康医療戦略が掲げるゲノム医療の推進に向けて、検体検査の精度確保が加える医療法改正がされたことを説明。日本では、まだ少数に限られる臨床検査室の規格ISO15189取得による品質マネジメントシステムの導入意義を強調した。
【講演6】
岸克樹氏
イオンリテールの岸克樹氏は「イオンにおけるESG認証と国際標準による第三者認証の活用」を報告。自主基準でプライベートブランドのESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮。サプライチェーンのグローバル化に対応した品質管理のため、海外直営農場で国際基準グローバルGAPを取得。食品安全認証スキームを承認するGFSIの理事としてルールづくり参画等の活動に触れた。
【講演7】
遠藤幸雄氏
旭硝子の遠藤幸雄氏は「戦略的標準化―材料・部材メーカーからの取り組み事例」と題して登壇。自社の創造価値と市場が求める価値をつないで、顧客に継続的に選ばれる仕組みづくりをする戦略的標準化について説明。最近の材料部材は、モノ自体の価値より、社会課題解決や人間工学面でのユースケースにおける価値が重要で、そうした創造価値評価の標準化を目指す取り組みを示した。
【講演8】
藤代尚武氏
経済産業省の藤代尚武氏は「国際標準化と第三者認証の現状と今後の課題について」を講演。標準化の対象が製品の仕様から、性能、生産組織への変遷等に伴う、マネジメントシステム規格(MSS)の位置付けを振り返った。課題では、MSS認証の取得目的を明確にして、認証の意義をサプライチェーンで共有することなどを挙げ、適合性評価制度での認定機関の重要性を訴えた。