デジタルネイチャー時代を生き抜く3つの力 大学発ベンチャー数国内トップ10の教育力
「本学で教えることはどんな産業やビジネスでも役に立つものです。大学には企業関係者から起業家、クリエイターなどさまざまな人が出入りしており、多くの人的ネットワークをつくることができます。そこから化学反応が起こって、多くのプロジェクトも立ち上がっている。大学の講義だけでは学べないものがそこにはあるのです」
「好きなことを仕事に」は無理じゃないと実感
では、実際の卒業生や在学生たちはどう感じているのか。2期生で現在、バンダイナムコエンターテインメントの経営企画室で事業開発の仕事をしている稲益彩香さん。パソコンを使って自分の個性を生かした仕事をしたいと考え、ITに特化したデジタルハリウッド大学に入学したものの、周りの学生たちは映画監督やデザイナーになりたいなど、将来の明確な目標を持った人ばかりで戸惑った。しかし、周囲に触発され、しだいに変わっていったという。
「学内でデザインの勉強をしていると、先輩から『ウェブサイトの制作を手伝って』と誘われて、デザインを担当することになりました。こうしたことは、決して珍しいことではないんです。考えるよりもやってみるという空気があって、学生がさまざまなことに取り組んでいます。私自身も、デザインだけではなく、企画やディレクションも手掛けるようになり、学生でも、やってみたら意外にできるんだという気持ちが芽生えるとともに、どんどんできることが増え、自信につながりました」
稲益さんは高校時代、今のような自分の姿を想像していなかったと言うが、大学で自分の可能性を拡げられたことに感謝しているという。
「好きなことをやれば、人は必ず伸びるということを大学で体感しました。実際に仕事で好きなことを選ぶことは難しいかもしれませんが、デジタルハリウッドなら好きなことを仕事にすることが意外に無理じゃないということを実感できると思います」
一方、取材時、デジタルハリウッド大学4年生だった奥村良磨さんは、デジタルハリウッドを選んだ理由を次のように語る。
「もともと興味があったのですが、株式会社立という大学の構造自体に最も衝撃を受けました。そして、実務家教員が多かったこと、企業と産学連携をさかんにしていることもあって、入学することに決めました」
しかし、2013年に入学後すぐに休学をして、ITベンチャーの立ち上げに参加することに。その後、大学の担当者からの熱心な呼びかけもあり、1年で復学。社会人を経験したことで学び方が大きく変わったと奥村さんは言う。
「なぜこの学問を学ばなければならないのかをつねに考え、何事も能動的に学ぶようになりました。大学の授業以外にも、大学院生に混じって多くのプロジェクトにかかわり、プレゼンや合宿を経験しました」
学内には多様な人材がおり、奥村さんはそうした環境に非常に影響を受けたという。
「院生にも医者や弁護士、政治家、クリエイターなど多様な人材が集まっていて、デジタルと医療を掛け合わせたデジタルヘルスラボや教育とテクノロジーを掛け合わせたラボなど、日々いろんなプロジェクトが立ち上がっています。そこから多くのベンチャー企業も生まれています。多くの尊敬できる人に出会えたことが大きな財産だと思っています。デジタルハリウッドを一言で表現すればカオスという言葉がぴったりとあてはまります。カオスだからこそ生まれるアイデアやビジネスがあるのだと実感しています」
多様性を有することで、多くの可能性を見つけることができるデジタルハリウッド大学。「夢があって、それを叶えたいと思っているポジティブな学生にぜひ来てほしい。本学は株式会社立の学校だからこそ、学費に見合った知識や技術を学生が身に付けられるよう努めています。先生の8割は実務家であり、学生にサービスをするという意識も高い。本学に来れば、これからのデジタルネイチャー時代を生き抜くための基礎力を必ず身に付けることができると思っています」(杉山氏)