英語を喋れない人はこんな勘違いをしている もはや恥ずかしがっている場合じゃない

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そして、話す内容を充実させるには「読む」ことが非常に重要です。ニュースでも小説でも「英語で書かれたものを広く読んでみる」のは効果的です。その中から、これこそ自分が言いたいことだ、という表現を見つけ出すのです。生きた文章を読めば、より現実に即した表現が学べますから。

―日本人が苦手な「話す」という点で、重要なことは何ですか。

柴田 メールでの表現などビジネスで必要なスキルは自然に身に付く面もあるのですが、話す上では「雑談」がコミュニケーションスキルとして重要です。たとえばワインについての雑談がよくありそうなら、ワインについて英語で書かれたものを読み、そこから内容を引っ張ってくることです。

柴田真一
/上智大学外国語学部卒、ロンドン大学経営学修士(MBA)。銀行員としてドイツに5年、ロンドンに15年勤務。ロンドンでは現地法人のExecutive Directorを務めた。2004年に執筆した『金融英語入門』(東洋経済新報社)をきっかけに、ビジネス英語に関する公演・執筆活動を本格的に開始。12年9月より現職。ほかにも『知識と教養の英会話 政治・経済・社会編』(2018、ディーエイチシー)など著書多数

また「発言」することが大事です。日本人は、会話中に口を挟むのは失礼にあたるのではと躊躇しがちですが、話すことが見当たらず黙ってしまう方が、感じがよくありません。相手の話が終わる頃に、重ねて話してみてもいいでしょう。気になるなら「Can I interrupt you ?」と割り込んでみるのも、時には良いのです。発言をしないと、興味関心がないと見られがち。私自身、イギリスで働いていた頃、ミーティングへの招待が来ないなあと思っていたら「君は話さないから興味がないんだと思ったよ」と言われた苦い経験があります。特に欧米は、「察する」という文化がないので、受け身ではダメ。積極的に発言してみましょう。

ビジネスの場では、たとえば数字など間違えてはいけない箇所は、相手に誤解を与えないためにも「事前練習」をしておきましょう。そして本番では必ず「確認作業」をすること。「Do you mean ? Are you saying ...?」と尋ねてでも、互いに正しく理解しているか確認する姿勢が大事です。「オウム返しに相手に聞いてみる」のも一つの手。いつも「I beg your pardon ?」だけではダメで、オウム返しに聞けば、数字など重要なポイントを確認することもできます。

デジタルデバイスで学び方はどう変わる

―デジタルデバイスの浸透で、学習方法は変わってきましたか。

柴田 デジタルデバイスのおかげでツールがたくさんできて、「英語はできません」と言い訳できなくなってきましたね。まず、世界中の情報に容易に触れられるようになりました。音声画面やポッドキャストを活用して「聞く・話す」力を上げられるようになったことは大きいです。無料通話ソフトウェアを使えば外国人と話すこともできますし、いずれはAIによる学習も出てくるでしょう。

とはいえ、英語を学ぶツールに投資することは重要だと思います。お金を使っているという意識が生まれることに加え、その場でほかの人が間違いを指摘、修正してくれることが、英語の上達に何より効果的だからです。どんな手段を使うにしても、大事なことは、楽しく面白いと感じながら英語に触れる機会を増やすことですね。