決定版!営業改革 営業改革から始まる、V字回復の軌跡
実践編 PART II
徹底的に実行・フォローするためのマネジメント手法
田崎氏は「営業パフォーマンス改善にはコーチングが大事」と強調。効果的なコーチングは、ハイパフォーマーの定着率を高め、中位6割の成績を約20%改善するというデータを示した。
秋津氏はSFAのAIのスコアを使った見込み客フォローをデモ。ハイスコア客に高い優先順位を付けることで営業活動を効率化。またチームの月次売り上げ予測もAIが過去のデータを学習した上で自動で算出。目標未達になりそうな営業担当には、案件の確度を上げるフォローの仕方をアシストできるとした。
田崎氏は、営業パフォーマンスを基に、各営業担当に必要なスキルを特定してトレーニングする同社のセールス・イネーブルメント・チームを紹介。トレーニングメニュー立案や将来的なAIの活用には、失注商談のデータが重要として「SFAには必ず失注商談も入れてほしい」と訴えた。
基調講演III(営業改革のメソッド 風土改革)
営業を基本体質から強化する
―PART3―
スピードと徹底力を組織にビルトインする営業カルチャー
改革3つのポイント
川勝氏は「組織はテーブルの上の消しゴムのように強い慣性の法則に支配された粘弾性体」と指摘。
改革は、まず経営者が、不退転の決意を示し、組織を揺さぶり、上杉鷹山の米沢藩改革の若手武士団のようなモデル集団を形成することが有効とした。
改革の火ダネとなるモデル集団が4分の1以上になれば、全体が可燃組織になるという仮説を提示。
さらに、小さな成功を生むメソッドを投入し、成功の連鎖が大きな変革のうねりとなり、新しいカルチャーを形成するという考えを示した。
営業部門改革では、6カ月から1年をかけて、見積もりを24時間以内に回答するなどのスピード化、1人当たり訪問を月100件にする徹底化を進め、売り上げ増の成功体験を生んで定着させる具体策について語った。
特別講演
デジタルマーケティングによる営業プロセス変革
最後にNTTコミュニケーションズの菅原英宗氏が、ターゲット3万社に対し、営業部隊200人+販社人員380人で新規開拓をする第二営業本部の取り組み事例を紹介。
変革の第一段階ではチーム・セリング強化のためにセールスフォースを導入し、バックヤードに事務処理業務を集約、営業担当が訪問などに集中して活動量を引き上げた。また、提案シナリオの標準化を推進。漫画のトレーニングツール制作や、情報分析に基づく目標マネジメントを行った。
第二段階では、イベントで潜在顧客情報を収集、自社メディア「Bizコンパス」の登録顧客の関心をスコアリング。ターゲットメールでセミナーに招待、参加者のアンケートデータをMAツールに入れ、セールスフォースと連携させながら、インサイド・セールスでリード顧客を育て、フィールド・セールスに引き継ぐ仕組みを構築した。
同社はセールスフォースの販売もしており「われわれの経験も含めて、システムを提供することができます」と述べた。