
主催:東洋経済新報社
協賛:セールスフォース・ドットコム
基調講演I(営業改革のメソッド 分析、計画)
混迷の時代、K・K・K(経験・根性・個人技)営業を脱し、真の科学的・戦略的・組織営業力を身につけるには?
―PART1―
自社の売上構造、市場構造を一目で明らかにする究極の分析・計画メソッド5
川勝氏は「営業強化は個人より、組織戦力の問題解決が重要」として組織的な市場攻略を説明した。
まず、現状分析では、顧客別売上高を降順に配置した棒グラフと累積構成比の折れ線グラフを組み合わせたパレート図で「自社顧客構造の見える化」を提案。業種ごとに規模順に並べた顧客企業と、自社顧客内シェアのマトリクスを作って、市場カバー状況を把握する「市場の見える化」、さらに自治体統計の業種別出荷額などと、自社の業種別売上構成を比較し「世の中と自社のズレ」を見つけるよう勧めた。
計画策定では、顧客別売上高と顧客内シェアの2面パレート図で、低シェアの上位顧客を重点化する「新規市場に既存商品拡販」、売上高と商品別顧客内シェアから上位顧客に別の商品を売り込む「既存市場への新規商品拡販」、世の中と自社のズレを修正するため、新規市場・企業を抽出・攻略する「新規市場への新規商品拡販」と、経営学者アンゾフの成長マトリクスに沿った3つの戦略を紹介した。
実践編 PART I
正しい分析・計画手法とトラッキングのためのデータモデル
田崎氏は、営業改革を計画で終わらせないためには、トラッキングできるデータの持ち方が重要で、「日報・週報も5W1Hに分けて保存すれば、分析が容易」と述べた。
秋津氏は、SFAでは、顧客情報を中心に契約情報、営業担当活動履歴などあらゆるデータ同士がつながって管理ができ、そのデータをパレート図など自在な切り口から分析が可能なことをデモ。
田崎氏は、セールスフォース上のデータをAI(人工知能)が学習し、顧客が何を求めているかを予測する自社独自のツール「アカウントインテリジェンス」を社内で使っていることを紹介。
同社では、購入確率が高いとされた17%のハイスコア企業から86%を売り上げているとして、データの整備、活用の重要性を訴えた。
基調講演II(営業改革のメソッド 実行、フォロー)
ここまでやれば、レッドオーシャンで競争優位に立てる
―PART2―
1年で結果を出す実行・フォローのメソッド5
実行編で、川勝氏は「営業の訪問件数を増やすことは営業戦力を増やすのと同じ」として、日本電産グループの1人・月・100件の訪問件数管理を紹介。
投入戦力は戦果の平方根に比例するランチェスターの法則に従って売り上げが伸び、「訪問増から3、4カ月遅れで引き合いも増え、営業担当も効果を実感する」と述べた。
フォロー編では、パレート図で営業担当の売上高上位グループを特定して刺激策を打つことや、WILL(やる気)/SKILL(能力)マップで4象限に分類し、やる気があるが、能力不足の営業担当の育成に注力すべきとした。案件管理は単純な金額合算でなく、確度ランクごとにA=0・8、C=0・3等と異なる重み付けをして到達点を予測。社内態勢が整えば、日本電産が実践する損益週次管理が「未達体質克服の特効薬になる」とした。
また、組織内でブレークダウンした目標と方策を対比して管理する月次での「方針管理も有効な手法」と語った。
実践編 PART II
徹底的に実行・フォローするためのマネジメント手法
田崎氏は「営業パフォーマンス改善にはコーチングが大事」と強調。効果的なコーチングは、ハイパフォーマーの定着率を高め、中位6割の成績を約20%改善するというデータを示した。
秋津氏はSFAのAIのスコアを使った見込み客フォローをデモ。ハイスコア客に高い優先順位を付けることで営業活動を効率化。またチームの月次売り上げ予測もAIが過去のデータを学習した上で自動で算出。目標未達になりそうな営業担当には、案件の確度を上げるフォローの仕方をアシストできるとした。
田崎氏は、営業パフォーマンスを基に、各営業担当に必要なスキルを特定してトレーニングする同社のセールス・イネーブルメント・チームを紹介。トレーニングメニュー立案や将来的なAIの活用には、失注商談のデータが重要として「SFAには必ず失注商談も入れてほしい」と訴えた。
基調講演III(営業改革のメソッド 風土改革)
営業を基本体質から強化する
―PART3―
スピードと徹底力を組織にビルトインする営業カルチャー
改革3つのポイント
川勝氏は「組織はテーブルの上の消しゴムのように強い慣性の法則に支配された粘弾性体」と指摘。
改革は、まず経営者が、不退転の決意を示し、組織を揺さぶり、上杉鷹山の米沢藩改革の若手武士団のようなモデル集団を形成することが有効とした。
改革の火ダネとなるモデル集団が4分の1以上になれば、全体が可燃組織になるという仮説を提示。
さらに、小さな成功を生むメソッドを投入し、成功の連鎖が大きな変革のうねりとなり、新しいカルチャーを形成するという考えを示した。
営業部門改革では、6カ月から1年をかけて、見積もりを24時間以内に回答するなどのスピード化、1人当たり訪問を月100件にする徹底化を進め、売り上げ増の成功体験を生んで定着させる具体策について語った。
特別講演
デジタルマーケティングによる営業プロセス変革
最後にNTTコミュニケーションズの菅原英宗氏が、ターゲット3万社に対し、営業部隊200人+販社人員380人で新規開拓をする第二営業本部の取り組み事例を紹介。
変革の第一段階ではチーム・セリング強化のためにセールスフォースを導入し、バックヤードに事務処理業務を集約、営業担当が訪問などに集中して活動量を引き上げた。また、提案シナリオの標準化を推進。漫画のトレーニングツール制作や、情報分析に基づく目標マネジメントを行った。
第二段階では、イベントで潜在顧客情報を収集、自社メディア「Bizコンパス」の登録顧客の関心をスコアリング。ターゲットメールでセミナーに招待、参加者のアンケートデータをMAツールに入れ、セールスフォースと連携させながら、インサイド・セールスでリード顧客を育て、フィールド・セールスに引き継ぐ仕組みを構築した。
同社はセールスフォースの販売もしており「われわれの経験も含めて、システムを提供することができます」と述べた。