2030年のCO2削減方法はこう変わる 爆笑問題×東大デザインラボが考察

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植物等のデータを分析し可視化

人間の活動と自然界の営みが同時に可視化できるようになることで、我々人間も地球の一部であり、双方向的に影響し合っていることを自覚し、行動変容を促すことを狙いとする「BIoT」。

<左>戸建て住宅だけではなく、マンションやオフィスビルにも設置できるBIoT。室内外にモニターを表示させることで、日常生活の一部として植物のシグナルを身近に感じることができる。身の回りの植物の健康と、自分の行動のバランスを確認することも、日課になるかもしれない
<右>IoTネットワークと植物ネットワークとのつながりによってCO2バランスを検出。画面上では、赤い点がCO2の排出量を、緑色の点がCO2の吸収量を表示する

BIoTデバイスと地面をつなげる構造体は、有機合成材料を用いた三次元プリンタによって作成。ファンガルネットワークがこの構造体を登り、発する電子信号をセンシングする仕組みを採用する。

読み取られた植物の健康状態を示すデータは、AIにより分析整理され、クラウドに集積。分析されたデータは、BIoTの画面にネットワーク上のノードとして表示する。

また、同じ画面上に自身のネットワークに接続しているIoTデバイスから得られるCO2排出に関する情報を重ねて見ることもできる。現在、暖房器具や照明、冷蔵庫などの家電製品がIoTに対応をはじめており、スマートフォンがリモコンとして代用できたり、運転状況を確認できたりと、操作性が高まっている。十数年後には、それぞれの製品を使うごとに、どのくらいのエネルギーを消費しているのかをセンシングし、モニタリングすることができるようになると予想される。人間の暮らしから排出される二酸化炭素量を解析し、リアルタイムで表示させることも可能になるのだ。

BIoTから得られる情報とIoTから得られる情報をクラウド上でAIが分析し、CO2の排出と吸収のバランスを表示することで、温室効果ガスの削減に向けて一人ひとりが日常生活で消費するエネルギー量を意識できるようにする。具体的には、AIは個々の省エネ行動を誘発するべく、個別の状況に合わせた行動アドバイスを提供する。

自然との共生への最適化

現在、AIが建築界で実用化レベルに達している例としては、個別の建物のデータから、その空間に最適な空調制御を学習し、改善することなどが挙げられる。近い将来は複数の建物同士での相互学習も可能となり、建築群でのエネルギー消費量を減らしていけるようになる。

このような人工物による情報のネットワークに、ファンガルネットワークからの情報が加わることで、将来のAIは人のための最適化のみならず、自然との環境共生を目的とする制御のための学習をするようになるだろう。

BIoTから得た植物の健康状態のデータは、クラウドで共有され天気予報のように地域や国全体の二酸化炭素バランスの予報として発信。植物との共生が日常化していく社会を目指す

これまで、植物の健康状態を正確に把握し、身近な存在として認知することは難しかった。しかし、これからは、先端技術を応用したBIoTのようなデバイスが自然の声を人間に届け、さらに人間自身のエネルギー消費とのバランスを可視化することで、「COOL CHOICE」が促進されるのではないだろうか。

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