
〔主催〕東洋経済新報社
〔協賛〕ヤプリ
オープニングアドレス
アプリで顧客に近づくとは?
代表取締役
庵原 保文氏
国内外220社が導入するアプリ開発・運用・分析のオールインワンプラットフォーム「Yappli」を提供するヤプリの庵原保文氏は、2016年のアプリのダウンロード数が世界で1400億を超え、特に日本は所有本数などで世界トップクラスとなったことに言及。
ただし、幅広い層に訴求するにはウェブの方が向いており、アプリはファンを育てるのが役割と、両者の「すみ分けを考えた戦略が重要」と指摘した。
いずれも、原点は「コンテンツ・イズ・キング」であり、「コミュニケーションのやり方を考えることが大切」と述べた。
基調講演
心理戦略としてのマーケティング
~デジタル時代に顧客との距離をぐっと近づける、モバイルの破壊力~
DaiGo氏
メンタリストのDaiGo氏は、人がどんな文言に反応するかや、人にイエスと言わせる承諾誘導の方法は、かなり研究が進んでいるとして「モノを売るのにアートはいらない。技術です」と話した。
人の心をつかむには、相手に自分との共通点を認識させたり、自分の情報を開示したり、相手の言ったことをオウム返しした後に質問を付け加えたり、といった手法が有効と説明。「人の心は何に信頼を置くのか」を踏まえた会話技術として、過去の会話記録から、相手が興味を持つこと、聞いてほしい話題を振ることで相手を信用させるテクニックを紹介した。
また、最初に小さなお願いをしてから1~2週間の時間をおいて別のお願いをするフット・イン・ザ・ドア、説得後に「…ですが、あなたの自由です」と付け加えるBYAFメソッドなど、説得率を上げる戦略にも言及。
これらのテクニックはアプリでも使えるとして「アプリと心理学は相性がいい。試せば答えは出るはず」と語った。
Case Study & Demo
アプリ成功事例のご紹介
「顧客ともっと近くでつながる」を可能にした
プラットフォーム
Yappli(ヤプリ)
エバンジェリスト
金子 洋平氏
ヤプリの金子洋平氏は、プログラミング不要、直感的に操作できる管理画面、スマートフォンのOSアップデートに自動バージョンアップで対応するなど、アプリを簡単に導入できるプラットフォームとしての「Yappli」の特長を紹介。
顧客コミュニケーションやキャンペーン情報発信、GPSと連動した店舗検索、採用活動など多彩なアプリの活用事例を紹介した。
新しい顧客をつくるのはSNSやウェブに分があるが、会員獲得やECの売り上げではアプリの貢献が大きいことを示した。
ディスカッションI
ヤプリトーーク!
企業アプリの立役者が集結!
赤裸々に繰り広げられるアプリトーク
松崎 宣博氏
エスニックファッションのチチカカ、松崎宣博氏は、ECサイトでの売り上げの85%がスマートフォンなのに、ウェブしかないのは不十分としてアプリを導入。ダウンロード数は、まだ計画の3分の1だが、売り上げは目標額の115%を達成し「今後が楽しみ」と話した。
工藤 剛氏
スポーツサプリのオウンドメディアにアプリを使う味の素、工藤剛氏は、スポーツ大会でサンプル配布と引き換えにアプリをダウンロードしてもらう施策を紹介。「導入しなければ評価もできない。ツールを持ったことで次にどう戦うかを考えられる」と述べた。
坂井 拓郎氏
アパレルのジュングループ、坂井拓郎氏は、アプリ導入でブランドサイトのPVが2倍になる効果があったと説明。アプリで会員情報を連携した顧客のリピート率が圧倒的に高く「エンゲージメント向上のために、連携を重視している」と語った。
志賀 優子氏
サンリオエンターテイメントの志賀優子氏は、アプリの活用は10~20代中心で、SNSとは属性が異なり、来場者数重視で運用しているとした。あまり多くの部署がかかわると要件定義が膨らみ、費用対効果が合わなくなるおそれも指摘した。
三木 郁夫氏
カワサキモータースジャパンの三木郁夫氏は、コアなバイク好き向けのイメージを大切にしつつ、初心者の顧客獲得にも幅を広げようと、若手中心にプロジェクトを推進。「親会社からもアプリを活用してPRを、と連絡がくるようになった」と語った。
国分 純子氏
ファッションブランドのケイト・スペード ジャパン、国分純子氏は、メールという流入チャネルの顧客年齢層が上がったことや、メール開封率低下を受けてアプリを検討。「いろいろなことができるが、EC売り上げ比率に絞って目標を明確にしたことで、取り組みの正しさも認識できる」と述べた。
ディスカッションII
顧客接点の創出からはじまる、
「究極」のマーケティング
新モバイル世代は、何を求めているのか?
世の中を沸騰させるコンテンツ、ストーリーの創り方
【モデレーター】東洋経済新報社 編集委員 福井 純
代表取締役社長
土方 邦裕氏
代表取締役副社長
土方 智晴氏
愛知ドビーの土方邦裕氏と智晴氏の兄弟は、債務超過だった同社に入社して経営を再建したものの「図面通り、納期通りと、コストダウンの話しかしない下請けでは成長を期待できない」として、「世界一、素材本来の味を引き出すこと」を目指し、密閉性の高い鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」を開発、ヒットさせた経緯を説明。
「開発にあたっては、水を一滴も加えない無水カレーのレシピが先にあった」と振り返った。当初は、ブロガーや料理研究家らに使ってもらい、良いことも悪いことも広がるSNSの口コミを活用。モバイル・コミュニケーションの中で「正直マーケティング」で認知を拡大した。自社サイトへのレシピ投稿などにも注力し「購入後に楽しんでもらうことも大切」と語った。
共同CEOエグゼクティブクリエイティブ ディレクター
博報堂アジア・パシフィック
共同チーフクリエイティブオフィサー
木村 健太郎氏
博報堂ケトルの木村健太郎氏は「レシピ発想からのプロダクト開発はモバイル時代らしくてよいと思った」と感想を述べた。
この10年のモバイル化の本質は「ユーザーに主導権が渡り、今までできなかった情報収集が可能になったことがポイント」と指摘。それに対する送り手のアプローチは、人や状況によって対応を変えるフレキシビリティと、ぴったりの「時・場所」に情報を届けるレリバンシーが重要として、SNSでとらえた世の中のイライラ度に応じチョコレート菓子の価格を一日に100回以上変える仕組み、検索語に合わせてバナーを変える仕組み等を紹介。
「買った後の顧客を大事にするのも、所有から使用へ、という今の時代を反映している。そこでの主役メディアはモバイルになるはず」と語った。