腰痛の85%が原因不明!でもケアはできる タバコNG!カルシウム、ビタミン摂取を

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生活習慣やストレスでも発症する

多くの人が経験すると言われている腰痛ですが、腰痛は病名ではなく、労働環境や加齢、生活習慣、ストレスなど、さまざまな要因が複雑に絡んで表れる症状を指します。人間は背骨が縦に配列されており、垂直方向に力がかかります。そのため、負担が分散されるよう、背骨は直線ではなくゆるやかなS字カーブを描いています。

胸部と骨盤、下肢を連結している腰は、体を回す、ねじる、曲げるなど、日常生活のあらゆる動作にかかわるため、つねに大きな負担がかかっています。東洋経済のアンケート調査には、次のような声が届いています。

運動不足とデスクワークがたたって、大学を卒業してから20kg太ってしまいました。そして、腰痛持ちに。ダイエットをすれば腰痛も軽くなるだろうとランニングを始めたのですが、ケガをしたくないと思い、入念にストレッチしていると、それだけで疲れてしまいます。そうなると、ランニングする気がうせていき……。
楽してやせたいさん 20代 男性 飲食業

よくわかります。こうした経験をしている人は多いのではないでしょうか。ランニングは意外に難しいものです。走り方が悪ければ、腰や膝に負担をかけてしまいますし、ランニングを継続すること自体、簡単なことではありません。まずは軽いウォーキングからと言いたいところですが、これもなかなか継続するのは難しいようで…。

仕事で失敗して取引先に謝罪する際、ついつい長くお辞儀してしまいます。「もういいですから、頭を上げてください」と言われてからゆっくり起き上がるんですが、実は腰痛がひどく、前傾姿勢のほうが楽なんです。悪い印象を与えていないと思うので、結果オーライでしょうか。
最敬礼45度さん 40代 男性 製造業

マイナス面をプラスに考える。さすが、デキるビジネスパーソンは違いますね。腰痛になると通常の姿勢でも負担になってきます。とにかく座っていても、歩いていても、なんだか痛い。マッサージに行っても、また痛くなる。多くの人が経験する症状で、避けて通れない腰痛。厄介なものですね。

そう言えば最近、腰の痛みが気になってきたな…という方はこちら>

原因を特定できない腰痛が長期化することも

腰痛が起こる原因はさまざまですが、その多くは原因が特定しきれない「非特異的腰痛」であると言われています。腰痛の約85%は、神経症状(しびれや、まひなど)や重い基礎疾患などがなく、エックス線やMRIなどの画像検査をしても、どこが痛みの原因なのか特定しきれません。通常は、セルフケアをしていれば短期間で軽くなりますが、休養が十分とれなかったり、ストレスが重なったりすると、長期化することもあります。

いわゆる腰痛症と呼ばれるものはこれにあたり、長時間、中腰や猫背などの姿勢を続け、腰や背中の筋肉が緊張し続けた時や、運動不足で腰を支える筋力が弱っている時などに発症します。寒さで筋肉が硬直する冬も、神経が刺激されて痛みが起こりやすくなります。

ちなみに、ぎっくり腰もこの非特異的腰痛に含まれます。急に無理な動作をした時などに起こる腰の組織のケガであり、ねんざや、筋肉を包む筋膜の損傷が原因と言われていますが、厳密にどの部分が傷んでいるのかは断定しきれないためです。ほとんどが数日で治りますが、繰り返す場合もあるので気をつけたほうがいいでしょう。

一方、原因が特定できる特異的腰痛の代表的なものには、腰痛の約15%を占める椎間板ヘルニアがあります。これは背骨の神経が圧迫されて痛みが起こり、圧迫がひどい時には、脚の筋力の低下やしびれを伴います。痛みが消えるまでに数週間から数カ月かかり、再発することもあります。こちらは医療機関に相談するなどの対応が必要になります。

では、そんな腰痛に悩める男性たちが、川柳を詠んだらどうなるのか。こちらも募集してみたところ、次のような作品が集まりました。

ぎっくり腰 本当に痛いと 声も出ず
よっこいしょーいちさん 40代 男性 運送業

そうなんですよね。本当に痛い時は声が出なくなりますね。特にぎっくり腰は、その最たるもの。運送業のように重い荷物を運ぶ仕事ですと、腰痛になると仕事をするのも一苦労ですね。腰痛を防ぐためにもセルフケアを心がけたいものですね。

抱っこ無理 娘も抱けぬ もろい腰
モツオ 40代 男性 製造業

娘さんに抱っこをせがまれて、いざ抱えようとすると、突然腰に痛みが走る。情けないけど、それが現実。40代は人生の折り返しとも言える年代です。自分自身の体と相談しながら日々の生活を送るよう心がけましょう。

えっ、こんなモノも持てなくなってきたの…?と感じる方にも>

デスクワークによる腰痛を防ぐ方法とは?

多くのビジネスパーソンは、日常的に長時間のデスクワークをしています。そんな時、姿勢がよくないと腰に負担をかけて背骨のS字カーブを崩してしまいます。よい姿勢を身に付け、つねに保つことを心がけましょう。

よい姿勢とは、あごを引き、背筋を伸ばし、腰と脚の付け根が直角になるように深く座ることです。反対に悪い姿勢とは、猫背や背もたれに寄りかかったり、腰を反ったりする姿勢のことです。こうした悪い姿勢は、筋肉を緊張させて疲労が大きくなります。腰痛を防ぐためにも、仕事や家事など日常の動作では次のようなことに気をつけるといいでしょう。

まずは中腰、前かがみなど不自然な姿勢をなるべくとらないようにすること。そして、同じ姿勢を長時間とらないようにし、30分に1回は腰を回したり体を伸ばしたりするなどストレッチをすること。さらに急な動作や腰の不意なひねりを避け、動作時は視線も動作に合わせる習慣を身に付けることです。

また腰痛の原因は複合的ですから、生活習慣全般も見直すといいでしょう。たとえば、バランスのよい食事によってカルシウムやビタミンB、Dなどを取ることが、骨粗しょう症など腰痛の原因となる病気の予防にもなります。タバコはニコチンが椎間板に悪影響を及ぼすと言われているので、喫煙は控えたほうがいいでしょう。

さらに精神的なストレスも、腰痛が長引く原因であると言われています。そんな時は、40℃ぐらいのぬるめのお湯にゆったりと入浴することで、血行をよくして筋肉の緊張をほぐすといいでしょう。もちろんお風呂上がりのストレッチもオススメです。

腰痛を慢性化させないためにも、日頃からのセルフケアが大切です。「年寄りみたいで恥ずかしい」などと言わず、痛みが強い時は市販の鎮痛テープや塗り薬、サポーターなどで腰をいたわりつつ、それでも激しい痛みが続く時やしびれを伴う場合は、専門医による治療を受けることをオススメします。

その腰痛、とにかくなんとかしたい!という方には、セルフケアによる対処も>

参考:「くすりと健康の情報局(腰痛の症状)」(第一三共ヘルスケア)