35歳で8割が歯周病の疑いという事実 よくかんで食べしっかり歯磨き、これ基本

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歯周ポケット→歯垢→歯周病

30~40代は働き盛り。でも、仕事が忙しくなると同時に、身体についても20代との違いが浮き彫りになってきます。歯もそのうちの一つ。

特に30~40代のビジネスマンが気を付けておきたいのが「歯周病」です。歯周病とは歯と歯を支える組織(歯周組織)におけるさまざまな病気の総称ですが、歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)にたまった歯垢(プラーク)や歯石の中にいる歯周病菌が歯ぐきにダメージを与え、少しずつ歯を支える組織を破壊していく病気と言われています。

症状としては歯ぐきのはれや出血などから始まり、進行すると歯がグラグラして抜けてしまうこともあり、歯を失う大きな原因となっています。また、歯周病は「サイレントディシーズ(静かなる病気)」と呼ばれ、痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気づかないうちにひどくなっているケースが多く、厚生労働省の調査によれば、35歳を過ぎると8割以上の方が歯周病の症状があるということです。東洋経済のアンケート調査でも、次のような声が届いています。

▼マスクマンさん 50代 男性 製造業
「インフルエンザが流行する季節になり、社内の同じフロアの人たちが、マスクをつけ始めました。予防接種を受けていたため、特に気にしていなかったのですが、ある日、部下の女性から『はやっているのでマスクした方がいいですよ』と言われ、マスクをつけることに。すると、翌日からマスクをつけている人がほとんどいなくなりました。やはり、自分の歯周病によるにおいが原因なんでしょうね……」

わかります。歳を重ねるごとに自分の口臭は気にしたほうがいいんでしょう。自分のにおいは自分ではわからないと言いますから。ストレスや喫煙などの生活習慣に歯周病が重なれば、口の中が悲鳴を上げているのは自分でもわかります。まずは生活習慣をがんばって変えていきたいところです。

▼部屋とY歯ャツと私 30代 男性 IT関連
「街コンで出会った女性とお付き合いすることになりました。初めてのデートの日、いつもより念入りに歯磨きをしていると、歯ぐきから大量の血が。しかも、血からなんとも言えない臭いが。その日は『花粉症だから』と言ってマスクをつけ、事なきを得ましたが、翌日、歯医者に行くと、案の定、歯周病と診断されました。彼女に言うべきか言わざるべきか。口が臭くてフラれた、なんてことになったら立ち直れません」

いやー、大変でしたね。歯ぐきから大量の血が出るなんて、とても気になりますよね。翌日に病院に行ったのは正解です。歯周病と診断されたからには、適切なケアが必要になってくるでしょう。ケアをしたあとであれば、彼女だってわかってくれるはずです。ぜひ彼女にきちんと言いましょう。互いの事情を共有していくことで、その仲はさらに深まるかもしれません。

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悪い生活習慣が大きく影響する

歯周病の直接の原因は歯周病菌になりますが、その歯周病菌のすみかとなる歯垢をためやすい悪い生活習慣には注意が必要です。食事(よくかまない)や歯磨き(きちんと磨かない)、ストレス、喫煙などの生活習慣が歯周病を引き起こしたり、悪化させたりする大きな要因となっているからです。

また一方で、歯周病は馬鹿にできない病気でもあります。糖尿病や誤嚥性肺炎、動脈硬化など全身のさまざまな病気とかかわっていることも明らかになってきています。歯垢をしっかり取り除き、口の中全体を清潔にしておくことは、歯周病の予防のためだけではなく、全身の健康を保つためにも極めて大切なことなのです。

では、そんな歯周病に悩める男性たちが、川柳を詠んだらどうなるのか。こちらも募集してみたところ、次のような作品が集まりました。

▼一目惚れさん 20代 男性 フリーター
グラグラと 揺れる心と 奥歯と前歯

これは何だか今の生活を表しているように感じられます。恋愛であれ、仕事であれ、そこにあるのは漠然とした不安感なのかもしれません。20代は特に将来がどうなるのかわからず、試行錯誤する時期です。でも、ずっと不安感を持っていては、前進できません。まずは歯をケアすることです。そうすれば、いつのまにか心のケアもできているかもしれません。

▼休日は家族で公園へさん 30代 男性 金融業
パパ臭い 娘よ言うな それ以上

かわいい娘さんにそう言われるほど、ショックなことはありませんね。小さいころは一緒にお風呂に入っていても、小学校高学年くらいにもなれば、パパとはすべて別ということになるようです。食事も別にされることもあるとか。これは永遠の悩みですね。

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タバコを控え、歯の磨き方も学び直し

健康な口内環境では、歯ぐきは引き締まり、きれいなピンク色をしています。でも、炎症を起こすと、歯の周りに歯垢がたまり、歯ぐきに炎症を起こします。浅い歯周ポケット(溝)ができ、歯ぐきが赤く腫れる歯周炎という状態になるのです。それがさらに悪化すると、歯周ポケットが深くなり歯垢や歯石がたまります。歯ぐきから出血したり、膿みが出たりすることもあり、歯を支える歯槽骨も溶け始めます。

そんな歯周病がさらに進行すれば、歯肉(歯ぐき)に膿がたまり歯を支える歯槽骨もますます溶け、歯がぐらつきます。それ以上進行すると歯は支えを失って抜け落ちてしまうのです。

これらは歯と歯ぐきのすき間に溜まった、歯垢の中にいる歯周病菌が、歯ぐきに炎症を引き起こすことが問題なのです。放っておくと歯周ポケットは深くなり、炎症もひどくなってしまうのです。それを防ぐためにも、日々のブラッシング(プラークコントロール)が重要なのです。

歯周病を防ぐためには、きちんと歯を磨くことに加え、「よくかんで食事をする」「ストレスを溜めない」「タバコを控える」ことが必要です。そのうえで、もう一度、歯の磨き方を学び直し、市販の歯周病予防の歯磨き粉などを使って、歯のケアをしていくことが重要になってくるのです。

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参考:第一三共ヘルスケア「歯周病とは?」